奏でるから創るへ、カシオが描くサウンドクリエイションの未来
なぜ今、カシオはサンプラーという領域に注力するのか。サウンドクリエイション事業部副部長の中川潤氏は、2026年4月1日に新たに組織された同事業部のミッションについて熱く語った。
カシオの楽器事業の根底には、創業者のひとりである樫尾俊雄氏が掲げた「すべての人が、音楽を奏でる喜びを感じる」という理念がある。1980年に登場した「カシオトーン 201」は、操作の難しさを排除し、ゼロからイチを生み出すコンセプトで音楽の楽しみを広めた。また、サンプラーとしても価値を見出された「SK-1」や「FZ-1」といったキーボードは、今も語り継がれている製品だ。
中川氏は、「これまでは『弾く』ことの拡張を目指してきたが、これからは『創る、稼ぐ、営む』といったクリエイターエコノミー領域へと事業を拡張していく」とコメント。SNSの普及や可処分時間の増加により、誰もが個人で発信し、クリエイターになれる時代が到来する中、音楽制作においては依然として「知識がないとできない」「何から始めればいいか分からない」と挫折する初心者が多い状況を打開したいという意欲を示した。
SXC-1がターゲットにするのは、プロではなくビギナー層。まったく知識のないところから始めても音楽を創る楽しさに触れられる「音楽を創るの民主化」を具現化するプロダクトとして企画されている。
カシオは、素材提供サービス「Waves Place」やライブ配信支援「Streamer Times」といったソフト・サービス面での展開も進めており、ハードウェアであるSXC-1はその戦略の第3弾という位置付けだ。
中川氏は「驚きを身近にする力で、ひとりひとりに創造する喜びを提供したい」とプレゼンテーションを締めくくった。
ライブにそのまま持っていけるほど、音がいい!
発表会で、SXC-1を手にし、これから音楽を始めようとする人々へ向けてのコメントを求められた熊井氏は、「『いつかやってみたい』ではなかなか始められない。この手頃で高機能なSXC-1を手に入れて、明日からでもすぐに始めてほしい。それがビートメイカーになる第一歩だ」とエールを送った。
カシオのSXC-1は、コンパクトでどこにでも持ち運べ、本格的な演奏も楽しめる製品だが、単なる新しい楽器ではない。技術の力で「才能」や「知識」の壁を壊し、すべての人が自らの声を、身の回りの音を、そして過去の遺産を自由にエディットして世界に発信するためのゲートウェイ(入り口)となり得るデバイスだ。
本体サイズは約100(W)× 177(D)× 27(H)mmで、重量は315g(電池含まず)。本体には3.5mmのアナログ入力、3.5mmアナログ出力、3.5mmアナログLINE出力、USBデジタル入出力(Type-C)、USBデジタル入出力(Type-C、給電対応)を装備。
1.3型モノクロディスプレー(128×64ドット)、リアルタイム入力とステップ入力対応のシーケンサー機能(16トラック×16ステップ×1~8小節)。2系統のエフェクトダイヤル(FX1:フィルター、フランジャー、フェイザー、ビットクラッシャー、FX2:ロール4種、ディレイ2種)を搭載する。
使い勝手や小型の本体のインパクトはもちろんだが、実演をみて感じたのは音の良さ。できることも多く、使い出がありそうだ。最初にこの製品を手にして、音楽の世界に入っていける人は幸せだろう。
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