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スタートアップ拠点「大阪イノベーションハブ」がリニューアル 世界へつながる拠点へ支援を拡大

 大阪市が運営するスタートアップ支援拠点「大阪イノベーションハブ(OIH)」が、2026年4月13日にリニューアルオープンを果たした。ロゴも刷新され、館内も全体として明るいほんわかとした雰囲気に生まれ変わり、出会いを生み出し、成長する場として新たに動き出す。

 関西大阪では国内でもいち早くスタートアップ支援を始めてきた。その中でもOIHは、2013年にうめきたグランフロント大阪に開設されて以来、国内外から人材や資金を引き付け、イノベーションを創出するグローバル拠点として機能してきた。今回のリニューアルで「集う」、「つながる」、「成長する」を新たなコンセプトに掲げている。

 リニューアルの内容は、設備と支援体制の両面で多岐にわたる。まず、施設面積が約1.5倍に拡張され、個別ブースや集中して作業できるワークスペースが新設されたほか、利用者が交流と共創するためのスペースが大幅に充実した。施設内は用途に合わせて、「交流する(クリエーションコモンズ)」、「発表する(イノベーションステージ)」、「成長支援する(グロース&レジデンシースタジオ)」、「支援者が集まる(エコシステムラウンジ)」の4つのエリアに分けられている。また、開館時間が拡大され、平日は10時から21時まで、さらに土日祝も10時から18時まで利用可能となった。支援体制においては、新たにコミュニケーターが配置され、来館者のニーズに応じた施設案内やヒアリングを行なうほか、サポート人材検索システムや起業家紹介スペースの設置、先輩起業家や専門機関による個別伴走支援もこれまで以上に強化される。

 4月13日には、新しいOIHの魅力を体感できるリニューアルオープン記念イベントが施設内で開催され、現場の熱気を伝えるトークセッションなどが行なわれた。

 イベントの冒頭で登壇した大阪市 大阪市長の横山英幸氏は2025年に開催された「大阪・関西万博」で示された「人々が繋がり新しいものを創り出す」という理念をリニューアルしたOIHのコンセプトと重ね合わせ、スタートアップをこれからの大阪の柱と位置づけて、国際的なスタートアップイベントの誘致を含め、世界中から投資を集める拠点へと成長させていく強い意欲を示した。

大阪市 大阪市長 横山英幸氏

 続いてのパネルディスカッションでは、スタートアップエコシステム協会 代表理事の藤本あゆみ氏をモデレーターに迎え、大阪市内の主要な支援拠点で活躍する若手人材が登壇し、支援、エコシステムの現場ならではのリアルな取り組みや今後の展望が語られた。

 一般社団法人うめきた未来イノベーション機構(U-FINO) プロジェクト推進・共創企画室 マネージャーの渡邉秀斗氏は、このOIHともつながるグラングリーン大阪で、イノベーション施設「JAM BASE」の運営に携わっている。行政や経済界、民間が混ざり合う「ごちゃ混ぜ」の環境を活かし、スタートアップだけでなく新規事業開発に取り組む大企業も含めた多様なプレイヤーを繋ぐことで、施設独自のイノベーション支援をしていると語った。

 NTT西日本 経営企画部 ミライ事業共創室 / QUINTBRIDGEコミュニケーターの湯川なつみ氏は、同施設には冒険家や地域で保護活動を行う人々など多様な背景を持つ人々が集まっており、そうした人々とビジネスを繋ぐことで、地域課題の解決に向けた第一歩を支援できる独自のコミュニティを形成していると強調した。

 一般社団法人 関西イノベーションセンター(MUIC Kansai) シニアマネージャーの本庄梢吾氏は、多くの会員企業を抱える強みを活かしてこれまで140件以上の実証実験をしきた実績に触れつつ、ディープテックなどの分野において、実証実験を単なるテストで終わらせず、大企業による本格導入や共同研究へと確実に繋げるための具体的な伴走支援の重要性を説いた。

 三井住友銀行 関西成長戦略室 バイスプレジデントの谷光舞子氏は、施設運営において参加者同士が対話を生みやすい最大50名規模の「ちょうど良い距離感」の空間設計を意図的に配し、イベントを情報発信にとどめず、個別の引き合わせを通じて実質的な事業共創へと繋げるコミュニティ作りを重視していると述べた。

 公益財団法人大阪産業局 大阪イノベーションハブ コーディネーターの石川友里絵氏は、ボストンへの派遣プログラムを通じて優秀な海外学生に大阪をアピールできただけでなく、海外の優秀な学生が京都大学に留学することを知るなどの成果を報告するとともに、リニューアルを機に国内拠点の枠を超えて世界のスタートアップエコシステムと「ライバルではなくコラボレーター(協働者)」として連携し、グローバルへ羽ばたく企業の創出をさらに加速させたいと抱負を語った。

 イベントの最後に横山市長は、各支援拠点の現場の熱意に触発された様子で、自らも「行動量」を増やし、トップセールスとして大阪の魅力を国内外に発信していくと宣言した。生まれ変わったOIHを中核に、多様なプレイヤーと施設が枠を超えて協働し、大阪から世界を牽引する新たなスタートアップが次々と生まれることが強く期待される。

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