旅する家具から次世代スマート駐車場まで 天王洲のインキュベーションに集まるスタートアップ
寺田倉庫「Creation Camp TENNOZ」3期生募集。JID 2026 by ASCII STARTUPに出展した5社
提供: 寺田倉庫株式会社
寺田倉庫株式会社は、シード期スタートアップを対象としたインキュベーションプログラム「Creation Camp TENNOZ」の第3期生募集を開始した。応募期間は2026年3月2日から4月17日まで。
ASCII STARTUPが主催するスタートアップ展示イベント「JID 2026 by ASCII STARTUP」には、1期生・2期生にあたる5社が出展し、それぞれのプロダクトやサービスを紹介した。
業種・地域を問わないシード期スタートアップを募集
Creation Camp TENNOZは、創業から3年以内のシード期スタートアップが対象のインキュベーションプログラム。採択数は最大10社で、事業分野や地域、応募時点での法人・個人の別も問わない。
寺田倉庫株式会社 CEO室 ミライ創造室 副室長の森結紀納氏はこう説明する。
「有形・無形を含めて本当に幅広い事業領域を受け入れています。応募時点で法人化していなくても大丈夫。1期生の中には、採択後に起業したケースもあります。事業アイデアの段階からでも挑戦してほしいと考えています」
実際、今回JIDに出展した企業の事業領域も、旅行・アパレル・循環型ビジネス・家具・駐車場・ヘルステックと多岐にわたった。
月1回のメンタリングと、天王洲企業とのネットワーク
採択企業には月1回のメンタリングが提供される。メンターは寺田倉庫の経営陣のほか、先輩起業家・ベンチャーキャピタル・事業会社の担当者など。事業戦略・プロダクト開発・資金調達など幅広いテーマで助言を受けられる。
支援企業にはJAL、日立ソリューションズ、コクヨ、サツドラホールディングス、サムライインキュベートなど、天王洲にゆかりを持つ企業が名を連ねる。
「このプログラムは、天王洲という町から新しいスタートアップが羽ばたいていくことを支援したいという思いで始まりました。エリア全体でスタートアップを応援する形をつくっていきます」(森氏)
最終審査は公開ピッチ。その日のうちに採択
選考は書類→面接→公開ピッチの3段階。最終審査では約30組が公開ピッチに登壇し、当日最大10社が採択される。昨年は約300件の応募があった。
なお、応募は全国から可能だが、採択後は天王洲を拠点に活動することが条件。少なくとも月1回の来訪が必要だ。
JIDに出展した5社を紹介
JIDの会場では1期生・2期生の5社がブースを出展。家具・スポーツウィッグ・障がい者向け外出支援・駐車場・リユースデータプラットフォームと、事業領域は実に多彩だった。
釘もビスも使わない。伝統構法で組み立てる家具
KNOTTER(ナラー)株式会社は、釘やビスを使わず、伝統的な木組みと構法で現代のライフスタイルに合った木製家具を開発するスタートアップだ。「旅する家具」をコンセプトに、分解して運び、現地で組み立てられる家具づくりに取り組んでいる。
2025年の大阪・関西万博では、フィリピンパビリオンの什器・家具製作を担当。フィリピンの名産品であるアバカ繊維から作られたバンドで各部材を結び組み立てる構造になっており、閉幕後はバンドをほどいて板状に解体し、フィリピンへ運んで再利用されているという。
解体すれば板の状態に戻るため持ち運びやすく、ライフスタイルの変化に合わせてサイズ変更や別用途の家具へ組み替えることもできる。引っ越しや事業規模が変わるスタートアップのオフィス家具としても相性がよさそうだ。現在は、一般消費者向けにベッドフレームやデスクの開発も進めている。
ズレにくい、蒸れにくい、締め付けない。スポーツができる医療用ウィッグ
株式会社ハリイは、スポーツ時でも快適に使える医療用ウィッグ「Sportswig🄬(スポーツウィッグ)」を開発しているスタートアップだ。
代表取締役の池野順子は8年前に病気で髪の毛がなくなり、既製品のウィッグを使い始めた。しかし、暑くて蒸れるうえにズレやすく、サーフィンやヨガといった趣味のスポーツを諦めざるを得なかったという。「もう一度スポーツを楽しみたい」。その思いから開発されたのがSportswigだ。
製品には、三井化学株式会社が開発した体温で伸びる形状記憶素材「HUMOFIT」を採用。頭の形に合わせてフィットするため、強く締め付けたり両面テープで固定したりしなくても、激しい動きでもズレにくいのが特徴だ。
このほか、銀メッキ糸を使用した抗菌防臭インナーキャップや、襟足やもみあげを自然に見せるシールなどの関連製品も展開。今後はウィッグの量産化、病院連携を強化し、長期的にはビューティーカンパニーやライフスタイル企業との協業を目指す。
障がい者の「おでかけ体験」をつくるバリアフリー観光サービス
株式会社HELPUSHは、障がいのある人の外出体験を支援するサービスの開発に取り組むスタートアップ。代表取締役CEOの寺田ユースケ氏は、お笑い芸人や歌舞伎町のホストとして活動していた異色の経歴を持つ。
Creation Camp TENNOZへの採択時には、車いす利用者や高齢者向けの外出支援プラットフォームを提案していたが、その後、寺田氏の「人を楽しませる力」や映像制作のネットワークを生かした体験型サービスへとピボット。現在は、バリアフリー観光プランを提供する「with HELPUSH」の構築を進めている。
このプランでは、現地のおでかけバディ(サポーター)が同行し、旅の様子をスマートフォンで撮影。後日、ドキュメンタリー風やバラエティ番組風に編集された動画がプレゼントされる仕組みだ。
現在は、静岡県三島市でのバリアフリー観光プランの実現に向け、クラウドファンディングをCAMPFIREで実施している。
入って出るだけ。ハンズフリー決済できる駐車場サービス
株式会社Smoothは、駐車場管理システム「Smooth」を開発するスタートアップだ。
同社が開発するシステムは、クルマが駐車場に入って出るだけで決済まで完了する“スマートパーキング”。カメラがナンバープレートを認識し、入出庫の記録やゲート開閉、出庫時の決済を自動化する。会員登録は一度きりで、以降はアプリ操作も不要だ。
駐車券や精算機が不要なため、駐車場の運営側にとっても設備コストや管理の手間を抑えられる。機器の設置やメンテナンスが少なく、比較的シンプルな構成でスマートパーキングを導入できるという。現在は駐車場事業者との実証実験を進めており、今後、本格的なサービス展開を予定している。
買うときから「下取り保証」。循環型購買を生むサービス
リベロント株式会社は、耐久消費財のブランド価値を資産(クレジット)として活用し、再来店を促す循環型インフラ「spixn(スピン)」を提供するスタートアップだ。
spixnは、商品購入時に「将来の下取り買取」を保証するサービス。例えば10万円の洋服を購入した場合、「着なくなったら3万円で買い取る」といった条件をあらかじめ提示。商品を手放す際には現金やクレジット、ポイントなどで還元されるため、再来店のきっかけにもなる。
ターゲットは、2万円以上の比較的高価格帯の商品を扱うブランド。将来の買取価格が保証されることで、消費者にとっては少し高価な商品にも挑戦しやすくなる。将来的には、サービス運用で蓄積されたデータ活用したトレンド分析をホワイトペーパーとして提供することも視野に入れている。
第3期生の応募は4月17日まで
Creation Camp TENNOZの第3期生募集は、2026年3月2日〜4月17日。採択予定数は最大10社。天王洲を拠点に企業・投資家ネットワークを広げたいシード期スタートアップにとって、事業成長の足がかりとなる機会になりそうだ。
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