開設半年で650社が登録、9000人が集結 埼玉のイノベーション創出拠点「渋沢MIX」でつながりが生まれている
企業連携、実証フィールド、資金調達へ。S4プログラムで成長したスタートアップが成果を披露
提供: 埼玉県
「なぜ挑戦するのか」鈴木啓太氏が語るイノベーションの原点
基調講演には、元サッカー日本代表でありAuB株式会社 代表取締役の鈴木啓太氏が登壇。「挑戦と継続〜アスリート思考が生み出すイノベーション〜」をテーマに講演した。
鈴木氏の基調講演では、まず彼の足跡からスタート。2000年に浦和レッズに加入し、アスリートとして16年間活躍。現役終盤には引退後を見据え、腸内細菌の研究を事業とするAuB株式会社を立ち上げている。引退会見で事業の構想を発表した際には、周囲からは「騙されているのではないか」といった声も上がったという。
しかし鈴木氏は、それを幼少期にサッカー選手を目指したときに現れた「ドリームキラー」と同じ存在だと捉え、「絶対に見返してやろう」という原動力に変えてきた。
また、スポーツ界でよく語られる「心・技・体」という言葉について、鈴木氏は「体・技・心」の順で整えるべきだと説明。体の状態が整うことで質の高いトレーニング(技)が可能になり、その結果として心にも余裕が生まれるという考え方だ。
起業家へのメッセージとして、イノベーションには「なぜやるのか」という“種”が重要だと強調。鈴木氏の場合、その種は「大切な人の笑顔を見たい」という思いだった。幼少期にスタンドで笑顔を見せた母親の姿から始まり、やがて5万人のサポーターの健康を願う思いへと広がっていったと語った。
S4アーリー期ピッチ 中間発表から進展したスタートアップの事業展開
渋沢MIXのS4アーリー期プログラムは、すでに事業を開始し、プロダクト・マーケット・フィット(PMF)を目指して検証フェーズにあるスタートアップを対象とした伴走支援プログラム。中間成果発表会では採択15社の中から5社がデモデイ進出に選ばれた(参考)。本稿ではそのうち2社をピックアップしてレポートする。講評は、フェムトパートナーズ株式会社 Principalの坂本隆宣氏が務めた。
中古EVバッテリーの診断と回収ボックス「DENPOI」/株式会社電知
株式会社電知はバッテリーのサーキュラーエコノミー実現を目指し、中古EVなどで課題となるバッテリーの性能を短時間で評価する診断装置と、廃棄時の発火リスクを防ぐ回収ボックス「DENPOI」を展開している。
S4プログラムでは営業先の整理や紹介を受け、自治体のごみ処理施設や大学キャンパスへの「DENPOI」の設置を進めたほか、電動工具で大容量バッテリーを扱う建設現場に保管箱を提案するなど、実証実験の導入につながる取り組みを進めている。
講評では、社会的なニーズが高い事業であり、埼玉県などの自治体と連携して実績を作ることで横展開の可能性があると評価された。
同社にはMUFG特別賞が授与された。三菱UFJ銀行大宮支店長の中山治氏は「AIを活用した高度な診断技術による課題の可視化と、循環型社会の実現を目指す姿勢がサステナビリティの考え方と強く共鳴した」とコメントしていた。
中小運送の配車業務を効率化する「ラクハブ」/株式会社スポンサル
スポンサルは、中小運送会社向けにクラウド運送管理システム「ラクハブ」を提供している。紙文化が残る運送業界に向け、月額9800円という低価格と直感的に使えるUI/UXで導入のハードルを下げ、配車業務の効率化を支援するAI配車マンを付加価値として提供する点が特徴だ。
S4プログラムでは支援金100万円を活用し、依頼書のデータ化や配車支援を行うAI機能を開発。さらに信用金庫との連携を通じて、新規顧客開拓のルート構築にも取り組んだ。
講評では、アナログな業界において属人的な業務を効率化するアプローチが評価され、運送会社の3代目でもある丹野社長に後継ぎベンチャーの代表例として期待が寄せられた。
S4アーリー期プログラムの総評として、坂本氏は「ロボットからITまで多様な業種のスタートアップが集まっており、層の厚さを感じた」と評価。埼玉県ならではの地場や支援システムを活用し、ここから日本全国やグローバルへ展開するユニコーン企業が生まれることへの期待を語った。
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