微弱光の高速撮像を可能にする高感度GAPDカメラを開発
Daiphys Technologies LLC
天体観測で性能を実証、産業用高速計測の応用にも期待
山形大学を中心とする研究チームは、天体から届く微弱な光を高速に検出できるカメラ「IMONY」を開発しました。京都大学岡山天文台の「せいめい望遠鏡」にIMONYを搭載して、かにパルサーの自転周期に同期した単発の光パルスの検出に成功しました。本研究にはDaiphys Technologiesも初期の立ち上げ段階から参画し、試験装置の設計開発および性能評価に貢献しました。
山形大学/共同プレスリリース:
https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/information/press/imony

「せいめい望遠鏡」に搭載された可視光高速カメラ「IMONY」 (写真提供: 山形大学/中森健之)
研究の背景
宇宙物理学において、ミリ秒やそれ以下の非常に短い時間スケールで明るさが変動する天体現象を捉えることは極めて重要な手がかりとなります。研究を進めるためには、明るさの変化を高い時間分解能で正確に計測することが不可欠です。しかし、天体から届くとても微弱な光に対して、その変化を高速に観測できる装置は世界でも限られています。そのため、より高い性能と使いやすさを目指して、観測装置や検出技術の開発・改良が日々進められています。
研究成果
山形大学を中心とする研究チームは、素粒子・放射線物理実験の技術をベースに、検出した光の到来時刻を高精度に記録できるGAPDアレイを用いた光子計測型の可視光高速カメラを開発しました。このカメラは「IMONY」と呼ばれ、山形に馴染み深い郷土料理「芋煮」をモチーフとして名付けられました。IMONYは8×8ピクセルの位置情報とともに100ナノ秒(1千万分の1秒)の時間分解能で光の到来時刻を記録することが可能で、高速に変動する天体の観測をはじめ産業利用など様々な応用が期待されます。
研究チームは今回、京都大学岡山天文台の「せいめい望遠鏡」にIMONYを搭載して、強い磁場を持ち高速に回転する中性子星の代表格とも言える「かにパルサー」から約0.034秒の自転周期に同期した単発の光パルスを検出することに成功しました。光パルスの時間変動を精密に観測・解析することで、発生源の理解に新たな示唆を与えるとともに、IMONYの有効性と高い観測能力を実証しました。
本研究の成果は、日本の科学雑誌『Publications of the Astronomical Society of Japan』のオンライン版(2026年3月18日付)に掲載されました。
原論文情報
Kazuaki Hashiyama, Takeshi Nakamori, Anju Sato, Mana Hasebe, Miu Maeshiro, Rin Sato, Tomohiro Sato, Masaru Kino, Kazuhiro Takefuji, Toshio Terasawa, Koji S. Kawabata, Tatsuya Nakaoka, Dai Takei, Masayoshi Shoji, Shota Kisaka, and Kazuki Ueno, "One-week optical observations of pulsed emission from the Crab pulsar with IMONY on the 3.8 m Seimei telescope", Publications of the Astronomical Society of Japan, psag026 (2026)
DOI: https://doi.org/10.1093/pasj/psag026
今後の展望
Daiphys Technologiesは物理・工学系の先端技術開発に特化した調査研究会社です。宇宙開発からAI・量子コンピューティングまで、重要課題に次の一手を紡ぎ出し、未踏領域に踏み出す知見を体系化することで、みなさまの新規事業創出やオープンイノベーションに広くお役に立てるよう取り組みを続けてまいります。
会社概要
会社名: 合同会社大物理技術研究所 (Daiphys Technologies LLC)
所在地: 東京都千代田区九段南一丁目5番6号 りそな九段ビル5階
設立: 2020年5月
代表社員: 武井 大
事業内容: 自然科学及び産業上の諸技術に関する総合的な研究調査業務
URL: https://www.daiphys.com/






















