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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第226回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 3月14日~3月20日

エンジニアがAIコーディングに感じるメリットと課題/「数年以内にAIエージェントから深刻な情報漏洩」の予測、対策は? ほか

2026年03月23日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2026年3月14日~3月20日)は、AIコーディング支援ツールに対するITエンジニアの評価と課題、AIエージェントに起因するセキュリティ/情報漏洩事故の将来予測、企業におけるオープンソースソフトウェア(OSS)の活用状況と課題、過去6年/340万人のストレスチェック分析から見えたミドルシニア層の“疲弊”についてのデータを紹介します。

[開発][AI] AIコーディング支援ツールで8割超が「生産性向上を実感」、最大の課題は「意図しないコードが生成される」(キッカケクリエイション、3月17日)
・AIコーディング支援ツールで「生産性向上を実感」するITエンジニアが86.0%
・効果は「コーディング時間の短縮」、課題は「意図しないコード生成」が最多
・よく利用するツールは「GitHub Copilot」「Codex」「Gemini CLI」がトップ3

 AIコーディング支援ツールを業務利用しているITエンジニアを対象とした調査(2025年11月に調査実施)。「業務の生産性向上」を実感している回答者は86.0%に達する。生産性が向上したと答えた回答者が挙げる具体的な効果としては、「コーディング時間の短縮」(56.6%)のほか、「デバッグ作業の効率化」(43.9%)、「定型的なコード記述の手間削減」(34.8%)など。ただし、67.1%のエンジニアが「課題や不満」も感じており、具体的には「意図しないコードが生成される」(54.9%)、「提案されるコードの精度が低い」(37.2%)といった点が問題視されている。

 ⇒ 同調査によると「複数のツールを併用している」エンジニアが62.2%です。最も頻繁に利用するツールとしては「GitHub Copilot」(44.2%)、「OpenAI Codex」(26.5%)、「Gemini CLI」(23.8%)がトップ3でしたが、4カ月前(2025年11月)の調査であり、この分野は進化が速いですから、現在はまた違う調査結果になりそうです。

AIコーディング支援ツールを選ぶ際に重視する要素。出力されるコードの「精度」という回答が最多(出典:キッカケクリエイション)

具体的な生産性向上のポイント。「コーディング時間の短縮」「デバッグ作業の効率化」「定型的なコード記述の手間が減った」が上位回答(出典:キッカケクリエイション)

具体的な課題や不満のポイント。「意図しないコードが生成されることがある」「提案されるコードの精度が低いことがある」「セキュリティやライセンスの懸念がある」が上位だった

頻繁に利用するツール。この調査時点では「GitHub Copilot」が4割超で最多だった

[セキュリティ][AIエージェント] AIエージェントは数年以内に「最も深刻な情報漏洩の原因」に?(ガートナージャパン、3月16日)
・セキュリティ対策が不十分なAIエージェントの悪用が数年以内に始まる
・2028年までに「企業にとって最も深刻な情報漏洩の原因」になりうると指摘
・これまでの認証手法はAIエージェントには適用できない、新たな手法が必要

 AIエージェントが自律的に業務タスクを実行するためには、人間のユーザーと同じように業務システムへアクセスできる必要があるが、これをサイバー攻撃者が悪用すれば「企業のデータに不正アクセスできる格好の手段」にもなりうる。企業が十分なセキュリティ対策やガバナンスへの考慮がないままAIエージェントの導入を進めると、「正規のエージェント」「攻撃者に乗っ取られたエージェント」の見分けがつかなくなり、深刻な情報漏洩の原因になりかねない。ガートナーでは、2028年までにそうした攻撃被害が発生しうると予測している。

 ⇒ AIエージェント導入に向けた機運が高まる中で、情報セキュリティ面での警告です。AIエージェント自体がまだ技術進化の途上にあり、導入する企業はAIエージェントの技術、セキュリティ対策の技術の2つが共に不安定な中で、戦略的な意思決定を下していく必要があると指摘しています。

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