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AIとライブゲームが融合した「リビングゲーム」の第一歩

ドラクエXで冒険の相棒「おしゃべりスラミィ」開発中 なぜGoogleのAI・Geminiが選ばれた?

2026年03月21日 20時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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なぜAIパートナーにGoogle Cloudを選んだのか?

 このおしゃべりスラミィは、Googleの生成AI「Gemini」を採用しており、スクウェア・エニックスのドラゴンクエストX オンライン開発チームとAIの研究開発部門、そしてGoogle Cloudの連携によって開発が進められている。

 なぜパートナーとしてGoogle Cloudが選ばれたのか。ひとつは、Geminiの「広範囲での最先端技術」だという。

 今回のおしゃべりスラミィとの会話ではリアルタイム性が重視されるため、低遅延でのAIとの対話を可能にする「Gemini Live API」を中心に構築されている。マルチモーダル対応により、プレイヤーの行動や外見といった画面情報の認識、ボイスの生成も実現している。

Gemini Live API

 プレイヤーの質問に対しては、裏でエージェントが編成され、ゲームの情報を取得したり、メモリー機能で過去の会話を参照したりしながら回答が生成される。ドラゴンクエストXの世界観に合った会話になるよう、プロンプト制御や出力チェックの仕組みでカスタマイズも行っている。

 もうひとつの決め手は、「信頼性できるパートナー体制」だ。Google Cloudから迅速にモックアップが提出されたのが、この企画が始まったきっかけのひとつだという。14年継続してきた強固な開発基盤に、Google Cloudのスピード感のあるサポートが加わったことで、今回の挑戦が可能になっている。

なぜGoogle Cloudをパートナーに選んだのか?

リビングゲームではAIは“敵”から“相棒”へ

 Google Cloudでは、おしゃべりスラミィのようなAI技術とライブサービス(継続してアップデートされるゲーム)を融合した体験を「リビングゲーム(Living Games)」と呼んでいる。Google Cloudのゲーム インダストリー グローバル ディレクターであるジャック ビューザー氏は、現状のゲーム業界でスタジオが生き残るための答えのひとつが、このリビングゲームだと語る。

 グローバル調査によると、現在、ゲームを楽しむ消費者のプレイ時間の半分以上が「公開から6年以上経過したゲーム」に費やされているという。さらに、ゲームの開発コストは2017年比で1.9倍にふくれ上がっており、消費者側の支出の伸び(1.6倍)を上回っている。「スタジオは、ユーザーのプレイ時間の半分のシェアを、かつての2倍近いコストを投じて競い合っている。これは完全に機能不全のビジネスモデルだ」とビューザー氏。

 リビングゲームは、こうした状況を変えるという。AIの力で開発を効率化して、ビジネスの構造を変え、新たなプレイヤー体験を提供するものだ。特にユーザー体験においては、数十年もの間「打ち負かすもの(敵)」であったAIが、プレイヤーの「相棒(バディ)」になるとビューザー氏は強調する。

 「例えばAIが、クエストを出すだけではなく、これまでの歩みを共有してくれる。パズルを解くヒントをもらえ、敗北を励まされ、勝利を祝ってくれる。これこそが、プレイヤーの心に寄り添う未来のゲーム体験だ」(ビューザー氏)

AI技術とライブサービスが融合した「リビングゲーム」

 このAIの相棒化には、瞬時にやりとりをする仕組みが不可欠であり、それを支えるのが、おしゃべりスラミィでも利用されるGemini Liveだという。「Gemini Liveは、まるで生きているようなバディを実現する鍵であり、ゲームをこれまで以上にパーソナルでダイナミックなものにしてくれる」とビューザー氏。

 Gemini LiveはGoogle CloudのAIハイパーコンピューター上で構築されており、高い性能とコスト効率に加えて、インディーゲームの開発者から大規模ゲーム開発スタジオまで対応できる拡張性を備えている。さらにGemini Liveを含め、コンピューティングから基盤モデル、エージェントまでゲーム開発向けのフルスタックのAIソリューションを、エンタープライズグレードのセキュアな基盤で提供するのがGoogle Cloudの強みになる。

Google CloudのフルスタックなAIソリューション

 ビューザー氏は、「私たちの目標は、世界の偉大なゲームクリエイターたちが、プレイヤーが孤独な冒険を強いられることのない未来を描き出せるキャンバスを提供することだ」と語っている。

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