最後まで採用を迷ったAI生成の3Dモデル
筆者が担当していたのはAI画像まわりで、3Dモデルを起こすための指示書として使用する2Dキャラクターデザインの原案や、UIの一部のデザインを中心に作業をしました。この連載で何度かご紹介してきています(参考「AIイラスト、こうしてゲームに使っています」 )、「これがAIの集客力!ゲームショウで注目を浴びた“動く立体ヒロイン”」)。
採用するかどうかギリギリまで判断がつかなかったのが、AI生成の3Dモデルの使用です。ゲームに登場する3Dモデルは、キャラクター、敵、ボス、遠くに見える塔といった一部の象徴的なオブジェクトについては、AI生成画像を使いつつ、3Dモデル用の指示書を作成し、専用の3Dモデルを人間の手で作ってきたものを採用しています。一方で、大半のオブジェクトはEpicのアセットストアで販売されているものを購入して改造して使っています。何十種類も購入した中から選択しています。その方が低コストで、完成度の予測がつくためです。
ところが、困ることも起こります。どうしてもアセットストアで販売されていないモデルが存在するためです。例えば、夜になると押し寄せてくる敵を押し留めるためには障害物が必要になってきます。ところが、サバイバルゲームに使える木を組み合わせた障害物で、ちょうどいいものを見つけることができなかったのです。
発売日が近づいており、どうするのかを決める必要がありました。AI生成の3Dモデルについては各社がしのぎを削っていますが、2025年初頭段階でも、最大の弱点は、50~100万ポリゴンといった巨大なデータでないと適切な形状のものが作れませんでした。数千ポリゴン程度の表示でないとリアルタイムのゲームでは使えないので、技術の発展を待つしかありませんでした。
2025年後半になり、「Tripo 3D」が100万ポリゴンのものを生成した後、数千ポリゴンにしても使いものになる水準と感じられる3D出力を可能にする「スマートローポリ」機能をリリースしました。以前であれば、モデルが破綻することが多かったのですが、これならば使えるというサービス水準に達したと判断できました。
もちろん、メインのキャラクターといった3Dデータとしてはまだまだ使い物にはならないのですが、背景で動作しないオブジェクトの一部では使えると判断したのです。Exelioではオブジェクトがアップになるシーンが少ない俯瞰型のゲームでもあるため、小さな画像サイズの表示になるため、品質的にも耐えられると考えました。
そのため、一部の3Dオブジェクトについても開発最終版で採用しています。

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