rebellionsとSamsungの蜜月が生んだモンスターチップ
量産初となるSF4X採用の意義
Rebel100の構成が下の画像だ。ダイサイズは320mm2とそんなに大きくないが、TDP 600Wはなかなかなものである。
内部にはニューラルコア×16と共有メモリー×8ブロック、UCIe-A(Advanced Package)のI/Fが3ヵ所と2×PCIe Gen5 x16のI/F、HBM3eのI/F、それにTDMA(Task DMA)/CP(Command Processor)/SYNC(Sync Manager)が搭載される格好である。
製造プロセスはSamsungのSF4X(旧SF4:4LPPの性能向上版)で、それもあってインターポーザーは同じくSamsungのI-CubeS(Silicon Interposer)を採用している。実はSF4XもI-CubeSも、量産チップでこれを採用した例が極めて稀である。
SF4Xは量産製品でこれを採用して「すでにチップがある」状態のものはRebel100が最初な気がするし、I-CubeSそのものはIBMのPower11がシリコン・インターポーザー採用と称しているのでおそらくI-CubeSとは思うのだが、Power11はダイサイズが654mm2なので、インターポーザーの面積も700mm2前後であり、Rebel-CUBEに採用されている2200mm2という大きさのものは今回が最初と考えられる。
実のところこのRebel-CUBEはもちろんrebellionsにとっても重要な製品であるが、Samsung FoundryにとってもSF4XプロセスやI-CubeSが量産製品に耐えることを証明する重要な製品に位置付けられているのかもしれない。ちなみに写真からは判断できないが、HBM3eもSamsung製と思われる。
ところで記事冒頭の画像でHBMの下に小さなダイがあったが、あれは高さ合わせのダミーダイではなく、ISC(Integrated Silicon Capacitor)である。つまりかなり巨大なパスコンを、HBMおよびRebel100の脇に配しているわけだ。先にEnergy Bufferingという話があったが、その正体がこれである。
話を戻すと、4つのRebel100は下の画像のような構成になるので、4×PCIe Gen5 x16およびUCIe-A I/F×4は未使用の形であるが、このあたりは割り切った模様だ(特にPCIe)。UCIe-Aは今後IOチップレットなどを外側に接続できるので無駄にはならないだろう。
もっともIOチップレットを接続するとなると、さらにインターポーザーが大型化することは避けられない。I-CubeSでどこまで大きなインターポーザーを作れるか次第なところが難点ではある。これがUCIe-S(Standard Package)なら通常の有機パッケージを介して接続できるが、今度はRebel100同士の帯域が足りなくなるはずだ
そのRebel 100の中のニューラルコア・クラスターの中身がこちら。ニューラルコアの中身は一切公開されていないが、単体で32TFlops@FP8のピーク性能なので、IONの4倍の性能になる。
それぞれのニューラルコアは4MBのスクラッチパッドを持ち、これとは別に8コア共有という形で32MBのスクラッチパッドが配される。つまりニューラルコア・クラスターあたり4×8+32=64MBのSRAMが搭載されている。
1つのRebel 100にはニューラルコア・クラスターが2つ搭載されるため、ニューラルコア×16(ピーク性能は512TFlops@FP8)と128MBのSRAMが搭載される。REBEL-Quadではそれぞれ64コア(2PFlops@FP8)と512MB SRAMという計算になるわけだ。
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