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【JACOB&CO. STORIES】Vol.21:複雑機構×宝飾――ジェイコブ&コーの現在と過去の交錯

PR TIMES

JACOB&CO. JAPAN
革新と芸術性を体現してきたジェイコブ&コーの歩みを、シリーズ形式でご紹介する「JACOB&CO. STORIES」。第21回ではブランドの原点である宝飾技術と、超複雑機構が融合した現在地を辿ります。




今日、世界を驚かせている独創的なタイムピースは、時計製造の伝統への挑戦であると同時に、創業者兼会長のジェイコブ・アラボが、ニューヨークの過酷な見習い修行の中でその指先を黒く汚し続けた、研鑽の日々の結晶です。16歳で時計製造の世界に飛び込み、その基礎を短期間で習得した彼は、昼間は熟練職人のもとで伝統的な技法を徹底的に叩き込まれました。しかし、彼の情熱はそこでは収まりません。修行を終えた後、自宅の寝室に設けた小さな作業台で、夜通し石と向き合い、昼に学んだ技術を自らの感性で昇華させる日々を過ごしたのです。
現場で叩き上げたウォッチメイキングの基礎と、「ジェイコブ・ザ・ジュエラー」としての審美眼。そして、石の供給源から研磨職人に至るまでの深い信頼関係。この二つの原点こそが、時計界の常識を打ち破る「複雑機構×宝飾」の真の源流となっているのです。

到達点 ―― 「ビリオネア」という名の不可侵の領域

『ビリオネア タイムレストレジャー』合計482石の216.9ct

アショカカットを施したダイヤモンドで彩られる『ビリオネア アショカ』

ジェイコブ&コーの極致「ビリオネア」は、ジェイコブ・アラボが長年培った宝石界での「特権」「執念」の象徴です。2,000万ドル(約31億円)を超える「タイムレス トレジャー」の製作は、当初、宝石界の専門家たちから「実現不可能」と失笑された無謀なプロジェクトでした。
完璧に色調と透明度が一致する高品質なイエローダイヤモンドを、ひとつの時計のために数百石揃える――。それは砂漠で特定の砂粒を探すような行為であり、ジェイコブ&コーは3年半の歳月をかけ、世界各地のマーケットにおいて全神経を注いだ調達を敢行しました
最終的に確保した880石もの原石。しかし、ジェイコブ&コーの基準による苛烈な選別を経て、実際に製品にセットされたのは、わずか482石(合計216.9ct)のみでした。
実に原石の約半分を「基準外」として撥ね退け、一時的に市場から対象の石を枯渇させるに至ったこの伝説的な事態は、単なる資金力の誇示ではありません。彼が原石市場において持つ「最優先のアクセス権」と、周囲が諦める中で「NO」を受け入れなかった狂気的なまでの情熱が、不可能を現実に変えたのです。
また、名門ゴールドバーグ社が、独自の特許を持つ希少な「アショカカット」タイムピースに採用することを世界で唯一許可したのが、ジェイコブ&コーです。 これは単なる商取引ではなく、両家の深い信頼関係と、ジェイコブ・アラボの石に対する真摯な情熱が生んだ、他に類を見ない独占的なパートナーシップの証なのです。

アショカカットは、 全ダイヤモンド原石の1.5%以下という、極めて稀な形状の石にのみ許される特許カット

宝石で彩られたケースには、トゥールビヨンを搭載したスケルトンムーブメントが納められている

しかし、ビリオネアの本質は石の量だけではありません。一見すると眩い宝石の塊ですが、その内部には167個のパーツまで削ぎ落とされた、専用設計のトゥールビヨン・スケルトンムーブメント「JCAM39」が、あたかも空中に浮遊するように鎮座しています。
特筆すべきは、18Kゴールド製の繊細なブリッジ構造です。本来、これほど膨大な宝石を隙間なくセッティングした重厚なケースは、ムーブメントに凄まじい物理的圧力をかけます。しかし、ジェイコブ&コーは極限の肉抜きを施しながらも、構造的な安定性を完璧に維持する空間設計を実現しました。
重力の影響を相殺するトゥールビヨンが、216.9ctの輝きを透過する「光」さえも設計の一部として取り込み、ダイヤモンドの海の中で静かに鼓動を刻む――。この「圧倒的な質量」「超精密な虚空」を破綻なく共存させる高度な建築的設計こそが、ジェイコブ&コーが単なる「宝飾品」の枠を超え、時計製造における唯一無二の地位を占める理由なのです。
【公式HP】タイムレストレジャー
【公式HP】ビリオネア アショカ
【公式HP】ビリオネアIII

視覚の魔術 ―― ミステリー トゥールビヨン

ミステリー トゥールビヨン

まるで宝石が浮いているかのような構造となっている

ジェイコブ&コーの「石の魔力」と「機構の狂気」が最も幻想的に溶け合うのが、2025年新作の「ミステリー トゥールビヨン」です。ケース径を従来の50mmから44mmへとリサイズ。巨大な3軸トゥールビヨンをより密度高く凝縮したこの設計は、ジェイコブ&コーの技術的成熟を物語っています。

文字盤の中央で3軸トゥールビヨンが重力に抗うように舞う傍ら、時間を告げるのは針ではなく、巨大な2つのダイヤモンドリングに備えられたふたつのルビー。そしてここで注目すべきは、ベースを埋め尽くす「ヘキサゴン(六角形)カット」のダイヤモンド。金属のプロング(爪)を見せない高度なインビジブルセッティング技術により、駆動部を完全に隠蔽。宝石が自らの意思で浮遊し、回転しているかのような視覚の魔術を成立させています。構造を知り尽くしたジュエラーの審美眼と、スイスが誇る超絶技巧が結実した、まさに「腕上のイリュージョン」です。
【公式HP】ミステリー トゥールビヨン