TechGALA Japan 2026開幕、情熱から生まれディープテック成功への道
TechGALA Japan 2026
2026年1月27日、中部圏から世界へイノベーションを発信する日本最大級の祭典「TechGALA Japan 2026」が開幕した。愛知県名古屋市の栄地区の中日ホール&カンファレンスを中心に、ナゴヤイノベーターズガレージ、マツザカヤホールなどで、27日、28日と2日間にわたり複数のセッション、展示が行なわれ、29日にはSTATION Aiを中心に開催される。2回目となる本イベントは、開幕時点での参加者数が前回を上回る6000名規模、出展企業は250社に達し、テクノロジーと未来への熱量に包まれたスタートを切った。
TechGALAは、テクノロジーの進化と人類の未来を祝う「GALA(祝祭)」をテーマに掲げている。 オープニングで総合プロデューサーの奥田浩美氏は、「私たちはテクノロジーの進化を、本当に祝祭を上げることができるだろうか」という根源的な問いを投げかけた。 技術革新を手放しでよろこべない複雑な時代だからこそ、豊かな精神性と「人が介在するモノづくり」の伝統が息づくこの地で、人間とテクノロジーの幸福な関係を問い直す意義がある。奥田氏は、数字以上にここにある人々の「熱量」こそが重要だと強調し、参加者に未来を共に語り合うよう呼びかけた。
中部圏トップが結集、「提灯」と「熊手」に込めた総力戦
オープニングセレモニーには、中部経済連合会の勝野哲会長、東海国立大学機構の松尾清一機構長、大村秀明愛知県知事、広沢一郎名古屋市長に加え、今年から主催に加わった浜松市の中野祐介市長ら、東海地域における産官学のトップが結集した。 各代表は、未来を照らす「提灯」と、福をかき集める「熊手」を掲げて登壇。大村知事は、愛知県の製造品出荷額が過去最高を超えた事実に触れ、この強固な産業基盤にデジタル(AI)とエンターテインメントを掛け合わせることで、唯一無二のイノベーションを起こすと力説した。 また、新たに加わった浜松市の中野市長は、同市の「やらまいか精神」を注入し、エコシステムを広域で加速させる意気込みを語った。
オープニング後の囲み取材で奥田氏は、今年の戦略として「アウトリーチ(攻めの姿勢)」を掲げえた。名古屋で待つのではなく、自らインド、シンガポール、韓国へ赴き、現地の有望なスタートアップをスカウトしてきたことを明かした。 また、「GALA」という言葉には、成功者が次の世代へ富や知見を還元する「ガラ・パーティ」の文化を日本に根付かせたいという強い意志も込められている。大村知事も、東京や大阪との連携を含め、ネットワークを世界規模に広げていく姿勢を強調した。
グローバル投資家が語る、ディープテックが世界に出るために必要なエコシステム
27日のセッションのひとつ「グローバル投資家が語る、日本スタートアップの成長戦略」では、Coral Capitalの澤山陽平氏、グロービス・キャピタル・パートナーズの今野穣氏、SBIインベストメントの加藤由紀子氏が登壇し、日本が世界で勝つためのロードマップが議論された。
日本のエコシステムの成熟度を示す象徴として、SmartHRの事例が挙げられた。同社はシリーズEで米国のGeneral Atlanticからセカンダリー取引で146億円の調達を実施している。澤山氏は、以前であれば100億円単位を一括投資できる投資家は日本におらず、海外投資家も日本市場にミニマム投資額に見合う案件を見出せなかったが、その壁がついに突破されたと指摘した。
澤山氏はさらに核融合の「京都フュージョニアリング」のように、技術そのものに絶対的な価値がある企業は、最初から世界市場を狙う「ボーン・グローバル(生まれながらの世界市場を意識した企業)」であるべきだ。ただし、全拠点を海外に移す必要はない。R&Dやマザー工場は優秀な技術者がいる日本(または東アジア)に残し、資本調達やビジネス拠点は米国に置くなどの「機能の最適配置」が推奨された。
今野氏は、ディープテックが直面する最大の課題は「量産化(工場の建設、運営)」にあると指摘。ここで、日本の大企業で工場立ち上げの経験や長年の運営実績をもつ60代前後のシニア人材が、極めて重要な戦力となっていると語る。この知見の移転は人口動態的に「あと10年」が勝負であり、今まさに活用すべき日本の隠れた資産である。
さらに今野氏はエネルギーや安全保障に関わる分野では、スタートアップ単独(丸腰)で海外政府に入り込むことは不可能である。経産省などの支援を得て「国策」として動くことが、グローバルでの信頼獲得に不可欠との認識が示された。
また澤山氏は「米国AI × 日本フィジカル」の逆輸入 エコシステム構築においては、日本から海外への一方通行ではなく、双方向のアプローチが提唱された。米国のAI(ソフト)は圧倒的に強いが、フィジカル(製造、現場)は日本も強い。そのため、「米国のAIスタートアップを日本に連れてきて、日本の大企業の製造現場と組ませる」という逆方向のマッチングに大きな勝機がある。 また、かつて自動車産業を金融機関が総出で支えたように、現代のディープテックに対しても、企業だけでなく金融、行政がクロスセクターで団結する体制が必要だと語られた。
セッションの締めくくりに、登壇者らは日本人のマインドセットに言及した。日本は「根拠なき悲観」に陥りがちである。 今野氏は「大谷翔平選手が活躍したことで日本人の意識が一変したように、ビジネスでもひとつの圧倒的な成功事例が出れば景色は変わる」と述べ、澤山氏は「日本への注目は再び高まっている。もっと楽観的に、自信を持って世界へ打って出るべきだ」と会場に呼びかけた。






























