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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第139回

AIフェイクはここまで来た 自分の顔で試して分かった“違和感”と恐怖

2026年01月12日 07時00分更新

文● 新清士

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“デート写真”が偽造可能

 実は、明日来子さんでも同じことが起こります。様々な画像生成AIツールで、元々の参照画像から微妙に顔が変わってしまうことが悩みの一つでした。Nano Banana Proは、参照画像を与えても、日本人と判断すると、顔を自然に日本人的な顔に寄せてくるため、明日来子さん特有のオリエンタル風の雰囲気がなくなってしまう傾向がありました。

 同じように、ChatGPTに分析させ、特徴を抽出し、それをプロンプトとして追加したうえで、三面図と表情差分を出力しました。特徴として出てきたプロンプトは以下です。

 <プロンプト>顔立ちは、完全な日本人ではなく、日本人とヨーロッパ系のハーフのような雰囲気を保つ。目はやや大きめで、アイホールを少し深くし、まぶたの骨格をわずかに強調する。鼻は日本人より少し高めの鼻筋にして、付け根をやや持ち上げるが、鼻先は丸く可愛らしいままにする。上唇をわずかに厚めにして、口の輪郭をはっきりさせる。完全な欧米人の顔や、普通の日本人顔にはせず、中間くらいのバランスに保つ。目の下にうっすらクマ・影を残す。小さなそばかすや肌の質感を残す(過度な美肌補正をしない)。

 生成した画像は以下のような形です。参照とした画像は右上です。当初は右側のように、微妙に似ているけど違う人という印象で生成されていましたが、プロンプトを追加することで、最終的には左側のように似ているという印象の顔になっていきました。

Nano Banana Proで作った明日来子さんの三面図と表情差分。右上の囲みがベース画像で、右がプロンプトを追加前、左がプロンプト追加後

 こうした基準となる参照画像を使って、今度は筆者の画像と明日来子さんの三面図を使って、クリスマスデートに出かけていたという想定で画像を作ってみました。女性が横にいたさいに、筆者のだらしない顔が微妙に似ている気がしなくもなく、正直笑えます。2人の画面を指定すると、すぐに手をつないだ画像が出てくるので、「手を繋ぐな」という指示はしています。

 とはいえ、ついにAI上の存在でしかない明日来子さんと、仮想の筆者がデートをしているような画像まで作れるようになったことに感慨を感じます。

AI筆者と明日来子さんとのクリスマスデートのディープフェイク。もちろん現実にはこんなことはありません

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