日本のディープテックはどこへ向かうのか――大学発・人材・標準化──全5セッションが描いた“日本の課題と可能性”
初開催「ASCII STARTUP TechDay 2025」レポート
“ルールを読む”から“ルールを創る”へ──標準化の最前線に学ぶ戦略
慶應義塾大学/W3C 下農淳司氏、日揮ホールディングス サステナビリティ協創ユニット イノベーション推進グループ プログラムマネージャー代行 田中悠太氏、エイターリンク株式会社 知財標準化マネージャー 小舘直人氏
最後のセッションは、「新産業創出のルールメイキング戦略 〜変化する世界にスタートアップはどう適応する?~」。地政学リスクの高まりや気候変動、AIの急速な進展など、世界のルールが揺れ動く時代において、ディープテック・スタートアップがどう立ち回るべきかがテーマとなった。
登壇したのは、国際標準化に現場から関わるエイターリンク株式会社の小舘直人氏と、日揮ホールディングスの田中悠太氏。モデレーターは慶應義塾大学/W3Cの下農淳司氏が務めた。セッションでは、日本発の技術が世界市場に浸透するには既存ルールを守るだけでは不十分であり、初期フェーズから標準化に関与する戦略性の重要性が語られた。とりわけ、標準化会議の交渉の進め方や、国際的な駆け引きが生まれる“現場の空気感”が語られた点が興味深く、普段は見えないルール形成の舞台裏を実感できる内容だった。
より具体的な事例や標準化の最前線における知見は、事前記事でも詳しく紹介している。ディープテックのグローバル展開を考えるうえで、ぜひあわせて読んでいただきたい。
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溢れる熱量が示した日本ディープテックの底力
今回が初開催の「ASCII STARTUP TechDay 2025」は、立ち見も出る盛況となった。併設の展示エリアも終始にぎわい、来場者がスタッフに積極的に質問し、技術の背景や事業化の可能性について熱心に議論する姿が見られた。
イベント終了後のアフターパーティーでも参加者どうしの議論や交流が続き、研究とビジネスの境界を越えたつながりが自然と生まれていた。
今回の熱量は、ディープテックをめぐる議論の場を求める声の大きさを示すものでもある。会場で交わされた議論と出会いは、日本の大学発スタートアップ、そして新産業を支えるエコシステムに確かな手応えを残した。
スタートアップエコシステム関係者が集う年次カンファレンス
「JID 2026 by ASCII STARTUP」3月3日開催
ASCII STARTUPは、2026年3月3日に、スタートアップを中心とした先端テクノロジー関連事業者の展示交流・ビジネスカンファレンス「JID 2026 by ASCII STARTUP」を開催する。11月17日から一般来場者受付を行っている(参加には事前登録が必要/入場無料)。
▼ 参加⽅法:事前登録制(下記よりお申し込みください) ▼
【参加チケット申し込みサイト】
(Peatix)

「JID 2026 by ASCII STARTUP」開催概要
【開催日】2026年3月3日(火)10:00~18:00
【会 場】東京都立産業貿易センター浜松町館(3F・4F)
【主 催】ASCII STARTUP
【共同開催】XTC JAPAN 2026(XTC JAPAN)
【同時開催】第7回「IP BASE AWARD」スタートアップファイナリストピッチ&両部門授賞式(特許庁IP BASE)
【公式サイト】https://jid-ascii.com/

































