ストーリーがね、いいんですよ……
進化も見据えた挑戦作『オクトパストラベラー0』 シリーズの楽しさを踏襲し、夢中でのめり込んでしまう面白さは◎
スクウェア・エニックスが12月4日に発売する『オクトパストラベラー0』。HD-2Dの美しいグラフィックで一躍大ヒットを記録した「オクトパストラベラー」シリーズの最新作だ。
本作はスマートフォン向けRPG『オクトパストラベラー 大陸の覇者(以下、大陸の覇者)』を家庭用ゲーム向けに再構築した作品。
もちろん、ただの移植ではなく追加要素も多数用意されている。本稿ではメーカーよりコードを受領したので、30時間ほどプレイした段階の先行レビューをお届け。ネタバレに配慮しつつ本作がどう面白いのか、その魅力について紹介していきたい。
対応プラットフォームはNintendo Switch 2/Nintendo Switch/PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/PC(Steam/Windows)で、本稿ではPS5版の画像を使用する。
●町だ、聞き込みだ! おねだりだッ!!
「オクトラ」シリーズ共通で楽しいのが、フィールドコマンドを使用した収集要素だ。新しい町へ着くたびにワクワクでき、「旅をする楽しさ」を味わえるこのシステムは、もちろん本作でも健在。
なかでも面白いのが「ねだる」というコマンド。運が良ければタダでアイテムが手に入るシステムで、なかには3%という超低確率なものもある。もし引き当てられれば、序盤から強力な武器を使うこともできるので、NPC巡りのモチベーションになる。こういう「裏ワザ」じみたシステムがシリーズ通して大好き!
また、後述する「タウンビルド」にも関わってくるので、新たな町に到着したらまず全NPCのコマンド巡りをするのがオススメだ。きっと貴重な知見を得られるハズ!
●8人バトルでより柔軟な戦略が立てられる!
通常のナンバリング作では8人の仲間から4人をパーティに入れて戦闘する。しかし『大陸の覇者』や本作では倍の8人(前衛4人、後衛4人)で戦うのが特徴だ。
バトルは速度の数値が高い順に行動するターン制バトル。前衛が動けるときに後衛との交代が可能。どのキャラで前衛後衛を組むかがプレイヤーの総意工夫の見せ所となる。
旅の仲間はストーリー進行で増えたり、どこかの町で出会えたりする。総勢30人以上が仲間になるとのことなので、自分ならではのパーティを編成しよう。おそらく『大陸の覇者』に登場しないオリジナルの仲間が多く登場すると思われ、新鮮な気持ちで旅ができるのは大きなポイントだ。
●新要素「タウンビルド」が便利かつ楽しい
本作では敵に滅ぼされた故郷をイチから復興する物語が展開。その際、建物の配置や誰を住まわせるかはプレイヤーが決められる。同じ家に特定のキャラを住ませると、限定会話が聞けることも。
最初は住人が拾ってきたアイテムを1人ずつ回って回収する必要があるなど、不便なところが目立った。が、そういうところは段々と便利になっていくのでご安心を。
「仲間が増えてパーティから外したキャラが育たないの、気になるな~」と思ったタイミングで「訓練所」が作れるようになったのは驚いた。パーティに入れた8人以外の仲間も戦闘経験値がもらえるようになって、とっても便利に!
畑や牧場で食材を生産し、拠点で調理できるのも◎。料理アイテムは戦闘時のターン回数ぶん効果を発揮するので、いくらあっても困らない。たっぷり作っておこう。
ほかに「これ便利!」と思ったのは、「商店」の品ぞろえがこれまで行った町のラインアップ詰め合わせだったことだ。どこで強力な装備を売っていたか忘れがちなので、一括で見られるのは超助かる!
●ストーリーはスキップも可。ただし一部追加演出も
ダークで大人向けの物語が楽しめるメインストーリーも魅力の1つ。とくに最初のボスとなる富、権力、名声を「極めし者たち」のお話は目をそむけたくなるような展開もあり、強く…強く印象に残っている。
『大陸の覇者』をプレイ済みの場合、メインストーリーが似通った展開になるのは1つのポイント。スキップや早送り機能も搭載されているので必要に応じて飛ばすこともできるが、主人公が「プレイヤー自身」になったことで会話や演出が加わっているのが見所の1つなので、飛ばす際は注意しよう。
ストーリーは『大陸の覇者』ベースの復讐編をメインに、もう一本『オクトラ0』専用の復興編を並行して進められる形式。復興編は明るい雰囲気で進むので、ガンガン先に進めたくなる魅力があった。
●さぁ旅立とう、生まれ変わったオルステラ大陸へ
筆者のように『大陸の覇者』をリリース当初(約5年前)に遊んだ勢からすれば、細かいところはうろ覚えなので物語を見直せるのはありがたい。個人的にはかなり新鮮な気持ちでプレイできた。
仲間たちも個性的なメンバーばかりで、パーティーチャットでは意外な一面が見えて楽しい。次はどんな出会いがあるだろうかと期待している自分がいる。
「タウンビルド」は次々と便利な施設が増えていくので、とても楽しい。本格的に地面の舗装や草花、タルなどの装飾品を置いてこだわり出したら、すごく時間泥棒になりそうだ。
また、船を入手して海へ漕ぎ出すこともできる。これは『オクトパストラベラーII』からの仕様だったはずなので、非常に新鮮。ただし、海の敵はけっこう強いのでご覚悟を。
全体的にバランス調整もよくまとまっており、背伸びして強い敵のいるエリアへ行くことも、前述の「おねだり」で強力な武器を手に入れることもでき、「オクトラ」らしさは十分に感じられた。夢中でプレイし、ハッと気付けば30時間……そろそろ原稿書かねばと筆をとった次第である。
『大陸の覇者』はガチャ要素や操作性が気になって手を出せない…そんな人こそ、本作『オクトパストラベラー0』を遊んでほしい。とくに高く評価されているストーリーは一見の価値アリだ。
また、『大陸の覇者』現役プレイ勢も家庭用ゲーム機向けに生まれ変わった本作は、また違った視点で遊べるはず。「100時間超え」のボリュームとも言われる本作でどこまでプレイできるのか、ぜひその目で確かめよう。
【ゲーム情報】
タイトル:オクトパストラベラー0
ジャンル:シングルプレイRPG
販売:スクウェア・エニックス
プラットフォーム:Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/PC(Steam/Windows)
※パッケージ版はSwitch 2/Switch/PS5/PS4のみ。
発売日:2025年12月4日 ※PC(Steam)版は12月5予定
価格:
通常版:7678円(パッケージ版/ダウンロード版)
コレターズエディション:2万5980円(パッケージ版)★
デジタルデラックスエディション:9878円(ダウンロード版)
★:コレクターズエディションはスクウェア・エニックス e-STORE専売。パッケージ版に加え、Steamキーコード版もあり。
CERO:C(15才以上対象)
※パッケージ版・ダウンロード版ともに、Switch 2版はNintendo Switch 2でのみ遊ぶことができます。
※Switch版を後からSwitch 2版へアップグレードすることはできません。また、Switch 2版へのアップグレード対応は予定しておりません。購入の際はお間違いのないようご注意ください。
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