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【1日で家が建つ】にゅるっと積む“3Dプリント住宅”が普及モードに入ってきた

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「持ち家の夢」を阻む壁

 「いつかは持ち家を」そう思いながら十数年。地価も建築費も下がる気配はなく、むしろ年々じわじわと上がっている。家って、こんなに高いものでしたっけ?

 人手は足りないし、資材は高いし、工期は長い。しかも現場では廃材も出るし、その処分にもお金がかかる。住宅が高くなるのは当然……そう思っていた常識を覆そうとしているのが、3Dプリント建築だ。

粘土みたいに“出力”する家づくり

 コンクリート系の素材をにゅるにゅると積み上げ、家をそのまま“出力”するように建てていく。ロボットアームが自動で形作る様子はまさに最先端技術。なのに、どこかなつかしい粘土遊びのようでもあり、ちょっとエモい。

 型枠は不要、廃材は最小限、人手も少なく、工期は最短で1日。つまり、まるっとコストを下げられる。2023年には、セレンディスク株式会社が設計・施工した3Dプリント住宅が愛媛県に完成。また株式会社築は、2階建て住宅の3Dプリント施工に成功。さらに、インドをはじめとする東南アジアでプロジェクトを展開しており、現地の学校や防衛関連施設など、公共性の高いインフラにも活用が広がっている。

地球を飛び出す建築技術

 3Dプリント建築は、中国やインドなど都市化が急速に進むアジア地域で市場が拡大している。一方、日本では建築基準法の壁が普及のネックとなってきた。だが近年、国土交通省が建設用3Dプリンターの活用を視野に、仕様基準の新設や大臣認定の運用合理化など、法整備を進めつつある。

 ちなみにNASAも、月面探査「アルテミス計画」に向けて、3Dプリントによる“月面住宅”の建設を構想中。3Dプリント建築は、いまや地球を飛び出し、宇宙へとフィールドを広げているのだ。

スタートアップリーグとは?

「スタートアップリーグ」は、競い合いながらも共に成長する“競争と共創”の場を提供する支援プログラム。単発で終わらせず、継続的な伴走支援によってスタートアップの成長を後押しすることを目指し、2023年度に始動した。スポーツリーグをモデルに、世界で活躍できる日本発スタートアップの創出を後押ししている。
https://startupleague.jp/

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