このページの本文へ

連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第207回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 10月25日~10月31日

人事評価に6割超が自己評価との「ギャップ」感じる/“AIの波”を生き延びるための技術トレンド/AIプロジェクトの6割超がPoC止まり、ほか

2025年11月04日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

[生成AI][検索] 半数の人が生成AIを検索代わりに、若い世代は「AIのほうが信頼できる」(PRIZMA、10月29日)
・生成AI使用率は20代、30代で6~7割に達し、若い世代ほど生成AIを使用
・生成AIの用途は「従来の検索の代替」が5割
・情報収集における信頼性、20代では「AI」が「検索」を大きく上回る

 20代~50代の正社員を対象とした「生成AI、AIOの活用率についての実態調査」より。世代別の生成AI使用率は、20代の72%がトップで、世代が進むごとに減少するが、50代でも48%が使っている。その用途については「従来の検索の代替」が50.0%、「情報収集」(43.8%)、「一次検索」(42.4%)と続いた。AIと検索、それぞれの信頼性については、20代では「AI」(30.9%)が「検索」(20.1%)を10ポイント以上上回った。ただし全世代で、50%前後が「どちらも大差ない」と回答している。

 ⇒ 前出の調査とは設問が異なるものの、生成AIの検索利用が定着しつつあるという結果に。世代別の生成AI利用率の違いは興味深いところ。情報検索に利用するデバイス(PCかスマホか)の違いなども影響していそうです。

世代別の生成AI使用率と使用頻度(出典:PRIZMA)

生成AIを使用する用途(出典:PRIZMA)

[AI] AIの投資対効果は上昇傾向、「プラスの成果」を得ている企業が過半数に(10月27日、キンドリルジャパン)
・AI投資で「プラスの成果」を得ている企業が過半数に、昨年比で10ポイント以上増加
・企業のAI支出は前年比平均3割増、うち7割が「1種類のAIに重点投資」
・9割近くは「AIが12カ月以内に業務を完全に変革」と予想、ただしスキルギャップが課題

 21カ国/3700名の経営幹部を対象にした年次調査。「AI投資により成果を得ている」とした企業は54%で、昨年5調査から12ポイントの増加。ただし、62%のAIプロジェクトは「パイロット段階から先に進んでいない」という。また「自社のITインフラは、将来のリスクに備えることができている」という回答は39%にとどまり、セキュリティへの懸念も明らかになった。データ主権(データソブリンティ)については、経営幹部の4人に3人が「グローバルなクラウド環境でデータを保存することに懸念を抱いている」ほか、65%が「データを国内回帰させること(データリパトリエーション)への投資」などの取り組みを進めているという。

 ⇒ AI投資の増加とともに、ROI(投資回収率)の実証や、データ保護に対するプレッシャーも高まっています。9割近い(87%)経営幹部が「1年以内に業務が完全に変わる」と見ているというのも、大きな時代の変わり目を感じさせる結果です。

カテゴリートップへ

この連載の記事
  • 角川アスキー総合研究所