連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第207回
市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 10月25日~10月31日
人事評価に6割超が自己評価との「ギャップ」感じる/“AIの波”を生き延びるための技術トレンド/AIプロジェクトの6割超がPoC止まり、ほか
2025年11月04日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2025年10月25日~10月31日)は、2026年版のテクノロジートップトレンド10、進化する情報検索と生成AIの関係に対するユーザー意識、AI投資と投資回収率(ROI)、人事評価で「納得いかない」ポイント、についてのデータを紹介します。
[トレンド][AI] 2026年は節目の年、AIの波を生き残るための10のトレンド(10月29日、ガートナージャパン)
・AIネイティブの開発プラットフォームが浸透し、2030年までに8割の組織が開発チームを“小規模型”に転換
・企業が使用する生成AIモデル、2028年までに過半数が「ドメイン(業種)特化型に」
・データの所有者、出所などを検証できる「デジタル属性」が重要に
2026年に重要なインパクトをもつ「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」。AIネイティブ開発プラットフォーム (AI-Native Development Platforms)、AIスーパーコンピューティング・プラットフォーム (AI Super Computing Platform)、マルチエージェント・システム (Multiagent Systems)、ドメイン特化言語モデル (DSLM: Domain-Specific Language Models)、先制的サイバーセキュリティ (Preemptive Cybersecurity)、フィジカルAI (Physical AI)、デジタル属性 (Digital Provenance)、ジオパトリエーション (Geopatriation)、AIセキュリティ・プラットフォーム (AI Security Platforms)、コンフィデンシャル・コンピューティング (Confidential Computing)と、10のトレンドが挙がっている。
⇒ 例年、幅広いテクノロジートレンドが紹介されてきましたが、2026年版は10のトレンドのほとんどがAI関連となりました。ガートナーでは「2026年は節目の年」としています。
[生成AI][検索] Google検索でAI概要(AI Overviews)が表示されても 生成AIとGoogle検索の関係は? 「生成AIで十分」は5~7%(グランネット、10月24日)
・「AIによる概要表示を見た後に、Webサイトを確認することが多い」が半数近く
・AI検索機能に対する懸念・不安は「情報が古い・間違っている可能性」が約4割
・商品/サービス購買時の比較検討に生成AIを活用している人は半数超え
生成AIによる検索支援機能の急速な進展が、ユーザーの情報収集や購買行動に与える影響を調査。Google検索の「AI Overviews(AIが生成する概要)」が表示されても、42~47%の人は追加で「Webサイトを確認することが多い」と回答した。「生成AIだけで十分」とする回答が5~7%と少ないことからも、現状では、生成AIは情報検索の“入口”にとどまっていることがわかる。AI利用の懸念点は、「情報が古かったり、間違っているかもしれない」(37.0%)、「どの情報をもとに答えているのか分からない」(35.9%)などが多い。
⇒ 生成AIと情報検索の融合による影響については、さまざまな見方があります。この調査では、Google検索のAI Overviewsに限定したうえで「従来の検索を代替するのではなく、補完している」という結論を導いていますが、「ChatGPT」「Perplexity」といった違うタイプのツールも含め、これから検索行動がどう変化するのかが気になります。

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