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「AIセーフティ・インスティチュート」など国策との連携も

Anthropicの日本拠点が始動 安全性に傾注する「Claude」はAI実装の起爆剤となるか

2025年10月30日 09時45分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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日本でのさらなる成長にはパートナーシップが不可欠

 説明会では、東條氏と、最高商務責任者(CCO)であるポール・スミス(Paul Smith)氏、国際事業マネージングディレクターであるクリス・シアウリ(Chris Ciauri)氏を交えたパネルディスカッションも設けられた。

パネルディスカッションの様子

東條英俊氏(以下、東條氏):AIによる変革はこれまでのエンタ―プライズ向けのソフトウェアの変革とどう違うのでしょうか?

ポール・スミス氏(以下スミス氏):違いはスピードとインパクトです。これまでの変革は数年単位の話でした。AIは、意味のある価値を、数か月、数週間で生み出せます。例えば楽天は、Claude Codeによって、新機能の市場投入を24日から5日にまで短縮しています。インパクトにおいても、数%改善されれば合格点だったのが、AIでは何倍もの改善が見込まれます。

クリス・シアウリ氏(以下シアウリ氏):それに加えて、AIは問いそのものが異なります。以前、大手ソフトウェア企業でDXを支援していた頃は、企業からは「これは機能するのか」とよく聞かれていました。今寄せられるのは、「どうすれば迅速に実現できるのか」「どうスケールして成果を最大化できるか」「ビジネスをいかに変えられるか」です。

Anthropic 最高商務責任者(CCO) ポール・スミス(Paul Smith)氏

東條氏:企業のCEOからClaudeはどのように受け入れられているのでしょうか。

スミス氏:まずは、パフォーマンスです。企業利用では、特にインテリジェンスを重視します。我々が従業員を雇う際に、最も知識を持ち、効率的で、成果を生む人を選ぶのと同様です。

 それに加えて、安全性と信用も重要です。経営層がClaudeにビジネスプロセスに任せるには、信頼がなければいけない。だからこそ、我々は、「コンスティチューショナル(憲法的な)AI」に投資をしています(従うべき原則を予め学習させる同社独自のアプローチ)。

 最後に透明性です。Claudeがビジネスの意思決定を支援する際には、その結論にどう至ったのかが説明できます。

シアウリ氏:Claudeは文化的なニュアンスも理解できます。これはBtoBにおいて非常に重要となります。実際に、パナソニックではカスタマーサービスや営業、マーケティングの領域でClaudeを利用し、「日本のビジネスコンテキストや上下関係、コミュニケーションを理解している」と評価しています。

 また、日本の多くのCEOは、セーフティーファーストをうたっており、我々の安全性へのアプローチが受け入れられています。

Anthropic 国際事業マネージングディレクター クリス・シアウリ(Chris Ciauri)氏

東條氏:最後に、長期的に日本のマーケットをどうみているかを教えてください。

スミス氏:日本は特殊な市場です。私もかつて10年間、日本で仕事をしましたが、そこで実感したのは、パートナーが非常に大きな役割を果たしていることです。Anthropicもそこに傾注していかなければならないです。

シアウリ氏:日本はアジアで初めて進出する国であり、戦略的に重要な市場です。今後、インドや韓国も予定していますが、日本が最初のオフィスで、最初のチームです。私が一番楽しみしているのは、すでに成長がみられることです。今年、アジアは10倍の成長を遂げています。ただ、日本市場がさらに拡大するには、やはりパートナーシップが不可欠です。

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