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NetSuiteが「SuiteWorld 2025」でNetSuite Nextを発表

次世代「NetSuite Next」を支える“AIのためのプラットフォーム”と“5つの柱”

2025年10月21日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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NetSuite NextのAIプラットフォームを支える“5つの柱”

 NetSuite NextのAIプラットフォームは、次の5つの柱で構成されている。

NetSuite NextのAIプラットフォームを構成する5つの柱

1. AI Connector Service:外部AIとの連携
 ChatGPT、Claude、Geminiなど、ユーザーがすでに使用しているAIアシスタントをNetSuiteに接続する機能。MCP(Model Context Protocol)を採用しており、わずか数秒で接続が完了するとのこと。AIアシスタントを接続することで、請求書の検索、レポート分析、販売注文作成など、さまざまな操作を自然言語の指示で実行できる。「さらに、Cohere NorthなどのプラットフォームとNetSuiteを連携させれば、SlackやEmailを横断するマルチシステムワークフローも実現する」(チェス氏)。

 NetSuiteの導入事例として紹介されたEALGreenは、企業から寄付を受けた余剰在庫を大学や専門学校に提供することで、学生の奨学金に充てる活動を行う非営利団体だ。同団体では、MCPとClaude/ChatGPTを使った画像認識システムを、わずか3週間で構築。寄付品の画像をアップロードすると、自動的にアイテム(品目)を識別し、奨学金としての価値を計算するほか、在庫確認も自動で行うという。

2. SuiteAgents:NetSuite内のカスタムエージェント
 SuiteCloud Platform上に構築されるインテリジェントエージェント。ユーザーと伴走してビジネスを分析し、推奨を行い、アクションを実行する役割を担う。

 機器レンタル業を想定したデモでは、「機器交換エージェント」が契約確認、ポリシー参照、返品承認作成、交換注文作成、マージン監視、顧客メール送信、状況サマリー作成まで、すべて自動実行する様子を披露した。

3. AI Toolkits:開発者向けインテリジェンス
 開発者とパートナーが、インテリジェンスをソリューションに組み込むためのツール群。Document Understanding(請求書・契約書分析)、RAG、Insight APIsなどを提供する。チェス氏は「レコードとロジックだけNetSuiteを拡張するのではなく、構築するものにインテリジェンスを組み込むことができる」と説明したうえで、この機能が「パラダイムシフトを実現する」と約束した。

4. AI Assistants:設定と開発の加速
 NetSuiteのカスタマイズ/機能拡張専用のアシスタント。アカウント設定とカスタマイズを理解し、ドキュメントとテストを自動生成し、コードを行単位で説明する。自然言語からワークフローを作成。「トランザクションのステータスが変わったら教えて」と伝えるだけで、自動的に通知用SuiteFlowを生成する、といったことができるという。

5. AI Studios:ビジネスに合わせたAIの調整
 自然言語によりAI動作を制御できるツール群。Ask Oracleの回答、トーン、推論を調整し、SuiteAgentの動作を段階的にチューニングできる「Prompt Studio」、AIが生成するナラティブと説明のトーン、構造、詳細レベルをカスタマイズし、生の数値を実行可能なインサイトに変換する「Narrative Insights Studio」などがある。管理者は、基盤となるインテリジェンスをビジネスに合わせて調整できる。

 NetSuite Nextでは、UIにOracleのデザインシステム「Redwood Design System」を採用している。チェス氏によると、新しいUIアーキテクチャは、必要なコンテンツのみを取得してレンダリングする仕組みを持っているため、スムーズなナビゲーションと素早いインタラクションが可能になったという。非同期実行により、アロケーションやバッチワークフローなどの大規模プロセスがバックグラウンドで実行され、ユーザーは作業を中断されずに続けられる。

 データレイヤーでは、マテリアライズドビューが需要の高いクエリの結果を事前計算して保存し、取得と分析を大幅に高速化する。一部のケースでは最大95%の高速化も実現した。他システムとの連携も高速化しており、コネクター、データ転送、MCPなどの新しいプロトコルが高速に動くという。

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