松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第319回

ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは

iPhone Airが引き受けます

　そこで登場したiPhone Air。

　昨年までのProモデルを引き継いだチタンフレームとすりガラスの背面デザイン。過去のPro Maxモデルも採用していた6.5インチという画面サイズは、絶妙にも、数年前のPro Maxモデルの雰囲気と機能性を引き継いでいます。

　そして前述の通り、シングルカメラと薄型ボディ（＝バッテリー減少）という差別化で、Proモデルから離れる方向に辿り、「オシャレな人のiPhone」というキャラクターを強調しています。

　これで、やっと、オシャレピープルを相手にしなくて良くなったProモデルは、アルミユニボディにベイパーチャンバーという排熱システムを搭載し、よりマニアック方向にシフトすることができました。

　ProをProらしく進化させる、iPhone Airの登場。これによって、iPhoneのラインアップがより分かりやすく整理されたのではないか、と思います。

img04-iPhone 17 Pro Max（左）とiPhone 16 Pro Max（右）。Airとは対照的に、昨年のProモデルから大きく印象を変えている