松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第319回
ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは
2025年10月10日 07時00分更新
Appleが9月19日に発売した2025年モデルのiPhone。
これまで、スタンダードモデル2サイズ、Proモデル2サイズという2ライン4モデルの構成で秋の新作を発表してきましたが、2025年はスタンダードモデル1サイズ、Proモデル2サイズに、Airを加えた3ラインの構成に変化させました。
設計から位置づけからあらゆるものが異なるiPhone Air、握っているとジワジワと、「これでいいかも」から「これがいい」に変化してくるから不思議です。
iPhone Airは、とにかくヘンテコなiPhone
iPhone Airは、色々な意味で、製品の位置づけがユニークな存在です。そもそもモデルナンバー(今年は17)が取り除かれ、より異質な存在であることをアピールしています。
iPhone 17 Airでも違和感なかったと思うのですが……。
このiPhone Airは、昨年のiPhone 16 Proから引き継いだチタンフレームがキラキラと輝き、無骨になったiPhone 17 Proとは対照的な高級感とオシャレさの演出がなされています。
iPhone 17 ProがSIMトレーを排除しバッテリーで埋めて、持続時間向上を強調している一方で、iPhone Airは5.6mmの薄型ボディのために、厚みが増すバッテリー搭載を無闇に行いませんでした。そしてシングルカメラの搭載。
これまでAppleが、バッテリーとカメラに心血を注いできたことを考えると、そのどちらも追求しない、デザイン優先のボディ、と言うだけでも異質さが伝わってきます。
これまでの経緯を全部無視する様子を見て、あえて筆者は、iPhone Airを「ヘンテコなiPhone」と見ています。

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