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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第203回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 9月27日~10月3日

1件のセキュリティ事故が281社に影響連鎖、恐ろしいサプライチェーンリスク/シニア人材がプロとして働くモチベーションは? ほか

2025年10月06日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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[シニア][人材][AI] プロとして働くシニア人材、モチベーションは収入確保よりも「スキルの発揮」(プロ人材機構、10月2日)
・プロシニア人材が働くモチベーションは「スキルや経験を生かしたい」が最多
・年齢に関係なく高い「デジタル適応力」、67%がAIツールを業務活用
・勤務先企業への要望は「業務内容の明確化」「柔軟な働き方」「心理的安全性」が上位

 プロフェッショナルとして働く50代後半~70代のシニア人材(プロシニア)105人を対象に実態を調査した。働くモチベーションは「自分のスキルや経験を生かしたい」(38.1%)が最多で、「収入の確保」(18.1%)や「社会への貢献」(16.2%)を上回る。デジタルツールの業務活用も積極的で、67%が「ChatGPTなどのAIツールを日常業務に取り入れている」という。シニア人材として、頼られる場面は「課題解決/判断が必要な場面」「若手のメンタリング」「プロジェクト全体像の整理」が上位だった。

 ⇒ これまでのキャリアや経験で今の仕事に生きているスキルとしては、「コミュニケーション力」(86%)、「柔軟な対応力/傾聴力」(77%)、「組織運営・管理の経験」(75%)などが上位となっています。

プロフェッショナルとして活躍するシニア人材(プロシニア)のモチベーション(出典:プロ人材機構)

プロシニアがよく使うデジタルツール(出典:プロ人材機構)

プロシニアが職場で「頼られている」と感じる場面(出典:プロ人材機構)

[AI][エージェント] “完全自律型AIエージェント”の導入/検討企業は15%にとどまる、セキュリティやガバナンス、信頼性の懸念が障壁(ガートナージャパン、10月2日)
・75%がAIエージェントを活用しているが、「完全自律型」は15%にとどまる
・ベンダーが提供するセキュリティやガバナンス、ハルシネーション防止策への信頼は低い
・生産性への影響度の見方、「大きいが変革的でない」(53%)が「変革的」(26%)を上回る

 北米/欧州/アジア太平洋地域の、従業員250名以上の組織に所属するITアプリケーションリーダー360名を対象に実施した、生成AI/エージェント型AIに関する調査より。75%が何らかのAIエージェントを活用している一方で、人間の監督なしでエージェントが自律的に目標達成を図る「完全自律型AIエージェント」の検討/試験運用/導入は15%にとどまる。その理由は「ベンダーが提供するセキュリティ/ガバナンス/ハルシネーション防止策への信頼欠如」と「組織としての受け入れ準備不足」。たとえば、ハルシネーションの防止能力を「完全に/高く信頼している」という回答は19%にとどまっている。

 ⇒ AIエージェントが生産性にもたらす影響については、およそ4分の1が「変革的」(26%)と考える一方、最多だったのは「影響は大きいが変革的とは限らない」(53%)という見方。また「効果は限定的」(20%)という回答も多く、ベンダー側の売り込みと実際の受け止め方には大きな乖離があることを裏付けています。

AIエージェントによる生産性向上への期待値(出典:ガートナージャパン)

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