製造現場の技能継承をAIで支援 ナレッジ活用統合AIシステム「技能継承くん」サービス提供開始
東京大学発スタートアップのAirion株式会社は、製造現場における技能継承をAIで支援するナレッジ活用統合AIシステム「技能継承くん」のサービス提供開始を7月9日に発表した。
同社によると、多くの製造現場では技能継承に関して「属人化したナレッジが退職とともに失われる」や「ナレッジの記録はあるが、情報がどこにあるかわからず活用されない」、「人によって使う言葉が異なり記録を読んでもわからない」といった悩みがあるそうだ。
「技能継承くん」は、ベテラン技術者の持つ暗黙知をAIとの対話によって引き出し、誰もが活用できる形式知に変換することで、企業の競争力の源泉となる技術の継承を支援するというサービス。上記のような課題に対し、同社が強みとする自然言語処理を用いることで、個人の経験と勘という暗黙知を言語化、構造化し、次代につなぐ仕組みを構築できるとの考えから、同サービスを開発したという。導入による効果としては、主に以下を見込んでいるとのこと。
同サービスでは、インタビューAIが対話形式でベテラン技術者にヒアリングを実施。その内容をAIがリアルタイムに記録・要約・構造化するとのこと。チャット形式での入力も可能だという。また、工場や人ごとに異なる独自の用語や表現を、AIが意味を解釈して標準化した言葉に統一。AIが理由や背景を深掘りする質問をすることで、他者が読んで理解できる「生きたナレッジ」へ再構築を図るという。
AIによって構造化されたナレッジはデータベースに蓄積され、新入社員や他の作業者はAIチャットボットに質問することで必要な情報を引き出すことができるという。既存の社内マニュアルやナレッジデータベースとの統合も可能とのこと。



























