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「AWS Summit Japan 2025」レポート

Anthropic、三菱電機、LayerXも登壇したAWS Summit Japan 2025基調講演

日本は生成AI活用で最先端 AWSは変革をリードするビルダーを支援する

2025年06月26日 10時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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Anthropicは日本オフィス開設へ 「これは単なる拠点展開だけではない」

 後半はAmazon Web Services バイスプレジデント データおよび生成AI マーケット戦略担当のラフール・パサック氏が登壇。昨年のre:Invent 2024での内容を踏まえつつ、インフラ、コンピュート、ストレージ、生成AIなど、最新のAWSの動向について説明した。

Amazon Web Services バイスプレジデント データおよび生成AI マーケット戦略担当のラフール・パサック氏

 生成AIに関しては、Amazon Bedrockで利用可能なリージョンや基盤モデルが拡大されていることをアピール。また、セーフガードを実装できる「Amazon Guardrails」や、大型のLLMを精度を落とさずに軽量化する「モデル蒸留」、プロンプトの内容に応じてLLMを選択できる「インテリジェントルーティング」、さらには複数のサービスと連携するAIエージェントの構築についても説明が行なわれた(関連記事:AIアプリとデータ分析が「ニューノーマル」に クラウドの代名詞AWSが進む道

 基調講演では国内外のゲストスピーカーも登壇した。最初のゲストとして登壇したのは、Amazon Bedrockでも利用可能なAI基盤「Claude」を提供するAnthropic 上級副社長 グローバル営業統括責任者のケイト・ジェンセン氏だ。

 創業当初からグローバルでのビジネス展開を進めてきたAnthropic。「日本のために、日本とともに、AWSを重要なパートナーとして開発してきました」とジェンセン氏は語る。そのため、モバイル、デスクトップともに日本語で利用できるようにするだけではなく、日本語への対応にも多くの投資を行なってきたという。「単なる言語の理解だけではない。ニュアンスや文化の理解も進めています」とジェンセン氏はアピールする。

Anthropic 上級副社長 グローバル営業統括責任者のケイト・ジェンセン氏

 同氏は、楽天やNRI、パナソニックなどの国内のユーザー事例を披露。また、「データ主権とスピードが日本市場ではなにより重要」ということで、AWSとも緊密に連携し、データの国内所在の保証、低レイテンシの実現、新機能の迅速な展開を実現していると説明した。

 ジェンセン氏は「今週、いよいよ東京オフィスが開設される」とサプライズの発表。アジア太平洋リージョンで初となる東京オフィスの開設についてジェンセン氏は、「これは単なる拠点展開だけではない。日本の素晴らしい技術革新の伝統から学び、そして貢献していくことを目指しています。これはまだ始まりに過ぎません。これがわれわれの日本への長期的なコミットメントです」と語り、降壇した。

日本オフィスの開設を発表

三菱電機やLayer XもAI活用をアピール

 三菱電機の田中昭二氏は、100年に及ぶものづくりの知見を蓄積したデジタル基盤「Serendie」について説明した。Serendieは家庭、ビル、工場、社会インフラ、宇宙に至るまで幅広い事業領域のデータを新たな付加価値に転換すべく構築したデジタル基盤。田中氏は、「このデジタル基盤を事業横断的に活用することで、社会やお客さまの困りごとをかつてないほど高度に解決できるようになりました」と語る。

三菱電機 AIプロジェクトグループ プロジェクトマネージャー DXイノベーションセンター副センター長 田中昭二氏

 三菱電機はSerendieをさらに高度化するためにAWSのAIサービスを活用している。たとえば数千を超える社内システムをAIレディにモダナイズする過程においては、Amazon QやAWS Transformを活用。ある生産システムでは、移行工数を50%削減できた。また、社内業務を効率化するマルチAIエージェントの構築においては、Amazon Bedrockを活用している。さらに消費者のニーズに迅速に対応するために、生産現場でもAIエージェントを活用し、「変種変量向けの生産計画の最適化」を実現したという。

 続いて登壇したLayerX CTOの松本勇気氏は、同社のメインプロダクトである業務SaaS「Bakaraku」におけるAIの利用を説明。経費精算や勤怠管理の自動化を実現するBakarakuでは、AIが人間の業務に合わせるという「AI-UX」を重視。「これまでの業務システムは『データの箱』として機能しており、人々は手作業でデータを加工して、この箱に入れていました。このビジネスプロセス部分をAIによって加工し、人々の仕事をより創造的にしていくことにチャレンジしています」と説明した。

LayerX 代表取締役CTOの松本勇気氏

 同社は少ない開発者でありながら、半期の1度のペースでリリースを積み重ねてきた。「これが実現できたのもAWSのマネージドサービスがあったから。自分たちでなるべく作らない。最小限のものを作ることで、爆速でプロダクトのアウトカムを提供することに挑戦してきた」との松本氏は語る。そして、新たに発表された「Bakaraku AIエージェント」では、人間が行なっていたサービスのすき間に当る業務をカバーしていく。Amazon BedrockやGuardRailsなどのサービスを活用することで、エージェントを継続的に進化させることが可能になるとアピールした。

 再度登壇した白幡氏は、AWS Summit Japan 2025のセッションやワークショップ、展示会場などの見どころを説明。2日間のイベント開始をアピールして、基調講演を終えた。イベントは26日も開催されている。

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