このページの本文へ

トンネル検査の精度を向上、夜間作業を約2割削減

新幹線トンネルの老朽化対策に ひび割れをAI検出するJR東の“トンネルDX”

2025年04月10日 16時30分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 JR東日本は、2025年4月8日、新幹線のトンネル検査においてAI技術などを活用した“トンネルDX”を進めていることを発表した。これまで人が実施していたひび割れの抽出や二時期比較を自動化する技術であり、トンネル検査の精度を向上させ、夜間作業を約2割削減できるという。

覆工表面画像のひび割れ自動抽出・二時期比較

 トンネルを含む鉄道の土木構造物は、長年の列車通過や気象・環境などの影響により状態が変化するため、安全・安定輸送に影響がないよう定期的に検査する必要がある。検査では「変化した箇所」を見逃さないことが重要であり、JR東日本は、変化を高精度で抽出して、検査自体も効率化できるような手法の開発に取り組んできた。

 特にトンネルの検査では、覆工(ふっこう)コンクリートの表面(覆工表面)に現れる“ひび割れ”に注目する。そこで、今回開発されたのは、新幹線のトンネル覆工表面画像に最適化された「ひび割れ自動抽出技術」と「二時期比較技術」の2つの技術だ。

 画像からひび割れを自動抽出する技術は、富士フイルムのAI画像解析技術を基盤に採用。加えて、JR東日本が開発した、新幹線トンネルのひび割れに特化して機械学習を行い、高精度にひび割れを自動抽出するAIモデルを活用した。

 2つの時期の画像にあるひび割れを比較する技術も、JR東日本によるものだ。ひび割れを二時期で比較して、変化箇所・変化量を定量的に自動抽出する。

 これらの新技術を組み合わせることで、従来の高解像度画像から人の手でひび割れを抽出、図示していた手法と比べて、ひび割れの見落としリスクを低減する。また、二時期のひび割れを自動比較することで、新規のひび割れやひび割れの進展箇所を、確実かつ定量的に抽出できる。これにより、机上の画像調査で現地確認が必要な箇所を絞り込めるようになり、夜間作業を“2割削減”できるという。

新幹線トンネル検査のDX

 JR東日本では、2025年度より、新幹線トンネルを対象に、新技術を活用した検査手法を導入。また、鉄道の表層や基層の下である「路盤」も含めたトンネル全景画像を取得する装置を開発し、覆工から路盤までを画像検査できる仕組みを整備していくという。

DXのステップ

■関連サイト

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    「原則出社」命じる企業とテレワーク社員の意識ギャップ/“推し活依存”自覚するZ世代が2割/シニアの利用が盛んな○○アプリ、ほか

  2. 2位

    データセンター

    600km超離れたデータセンター間でシステム全体を「完全自動復旧」 日立・NTTドコビジらが実証に成功

  3. 3位

    ビジネス・開発

    物流、病院、家事まで変える“フィジカルAI”最前線 AWSが支援する日本企業14社の挑戦

  4. 4位

    ITトピック

    SaaSに代わりAIエージェント支える“AaaS”が台頭/議事録作成AIは「意思決定支援」へ進化/生成AIの顧客満足度・1位はClaude、ほか

  5. 5位

    sponsored

    Active Directoryがサイバー攻撃の標的となる理由とその対策

  6. 6位

    TECH

    フロンティアAI対策を国内組織はどう捉えているか “内製化への意欲”と待ち望む“政府主導のガイドライン”

  7. 7位

    ビジネス・開発

    フィジカルAIを支える「攻めのIoT基盤」と「守りのOTセキュリティ」

  8. 8位

    sponsored

    高齢者をポットで見守る「みまもりほっとライン」 25年続く「サービスの温もり」とは?

  9. 9位

    デジタル

    Dropbox Protect提供開始 “過剰なファイル共有”をすべて把握し情報漏洩リスクを低減

  10. 10位

    デジタル

    「ツールは入れて終わりじゃない」 香川の建設コンサルが利用率1割だったkintoneを全社基盤に育てるまで

集計期間:
2026年09月01日~2026年09月07日
  • 角川アスキー総合研究所