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開発・運用を「変革」する生成AIソリューションも実用化のフェイズに

AIエージェントを見据えたオープンな基盤を強化 “日本IBMのAI戦略”の現在地

2025年03月18日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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開発・運用を「変革」する生成AIソリューション中心に知見を蓄積

 一方、2024年における日本IBMのAI戦略の成果について、村田氏は、「AIを知り、AIにより組織と人を強化学習した」と振り返る。ここでも3つのポイントが挙げられた。

 ひとつ目は、2024年3月に、前述の「IT変革のためAIソリューション」を本格的に提供開始したことだ。エンジニア不足や自社システムを熟知していないエンジニアの増加、技術進化や新たなニーズへの追随といったIT業務における課題解決に向けて、生成AI活用を推進してきた。

 なかでも、「コード生成のためのAI」の活用が先行して増加しており、JavaやCOBOL、PL/1などの言語において活用されているという。

 二上氏は、「この1年間は、企業データを取り込み、それぞれの具体的なユースケースの課題を解決するAIを構築してきた。IBM共通コード基盤モデルなどの活用により、すでにコード生成の90%以上にAIが活用されている」と説明する。

 また、AIパートナーシップやAI+PLIコンソーシアムの取り組みの中でも、顧客のシステム環境に最適化した「IT変革のためのAI」を、共創する動きが増えているという。具体的には、トヨタシステムズや東京海上日動システムズ、明治安田生命、SOMPOシステムズ、みずほフィナンシャルグループとの共創事例が発表されている。

IT変革のためAIソリューションの共創事例

 2つめは、400件を超えるパイロットプロジェクトを実施したことだ。

 日本IBMでは、130人のパイロットプロジェクト専任エンジニアを擁し、そのうち半数がAIエンジニアという体制を敷いている。プロンプトエンジニアリングおよびUI、UXに関するAIスキル、アセットの開発など、高サイクルの技術検証を通じて、品質と生産性を改善してきたという。

 村田氏は、「パイロットプロジェクトの約半分はRAGに関するものであり、次いで、コード生成を含むIT変革のためのAIが多かった。だが、2025年に入ってからは、IT変革のためのAIと、AIエージェントとデータに関するパイロットプロジェクトが増えている」と述べる。「この1年のパイロットプロジェクトで培ったアセットやAIスキルを活用して、実用化に向けた準備が整った」と意気込んだ。

 3つめは、日本IBM自身の社内業務へのAI適用や、IBM製品へのAIの組み込みを推進したことだ。

 日本IBM社内には1万人を超える「生成AIスキル認定コンサルタント」が在籍。さらに、独自の基盤モデル「Granite」を各製品に組み込んでいることや、ソフトウェアエンジニアがコードアシスタントツール「watsonx Code Assistant」を活用して、アプリケーションの効率的な開発を進めていることを示した。

 この基盤モデルGraniteについては、「オープンであり、小規模であるのが特徴。小さいモデルをチューニングしていくことが、エンタープライズAIを活用する上では重要であると判断している」と説明。ライセンス制約は、Apache 2.0に準拠し、学習データにも透明性を持たせている。「80億パラメータのレンジでは、安全性や難しい指示を処理する能力で、大きな差をつけている」と自信をみせた。

Graniteのベンチマーク比較

 また、最新版であるGranite 3.2では、論理的に問題を解決する「リーズニング(reasoning)」を実装。「Graniteを、IBM製品やパートナーの製品、オファリングに組み込んでいる。さらに、Fit for Purpose(目的に適したモデル)を目指し、パフォーマンスとコストを両立している。業務特性やシステム要件に応じて最適な組み合わせを選択でき、ROIにおいてもメリットがある」と強調した。

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