外資系プレイヤーに依存しているパブリッククラウドの市場で気を吐くさくらインターネット。自ら国産クラウドを作るという構想が強い引力となり、エンジニアの入社が相次いでいる。AWS古参の荒木靖宏氏や元カヤックの藤原俊一郎氏など、クラウドの酸いも甘いも知り尽くしたメンバーである点も印象的だ。
一方、ITエンジニア界隈では「さくらインターネットは国産だし、優秀な方が多数在籍しているので応援したいけど、「ITエンジニアとして業務で積極的に使いたいか?」というと話が違ってくる」(Togetter)という投稿にさくらインターネットの田中邦裕社長も参戦して話題になった。先日参加したJAWS DAYS 2025の参加者との交流でも、荒木氏の転職話とセットで、「個人的にはさくらインターネットを応援したい」という声を何人からか聞くことができた。同じ気持ちを持つエンジニアは潜在的にはけっこう多いのではないだろうか?
さくらのクラウド導入を阻むハードルは、言うまでもなくAWSやAzure、Google Cloudなど外資系サービスとの差である。米・中のパブリッククラウドは、資金も開発体制も潤沢であり、真っ向勝負は難しい。だが、さくらインターネットの田中邦裕社長もサービス強化をコミットしており、実際に機能強化も着実に行なわれている(関連記事:大手クラウドに着々と近づくさくらのクラウド 「AppRun」含む13個の新機能)。外資系サービスがAIにフォーカスしている今こそ基盤を固め、エンジニアたちの「選択肢」に挙がるようになれば、国産クラウドとして次の道に進める。自前の石狩データセンターとGPUでカリカリにチューニングされた国産クラウドが、多くのエンジニアに受け入れられる姿を私は見てみたい。
文:大谷イビサ
ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

この連載の記事
-
第117回
ITトピック
生成AI時代の露払いとしてAlexaの果たした役割は大きい -
第116回
Team Leaders
その日、オレは思い出した 場所と時間に囚われていた社員総会を -
第115回
ITトピック
生成AIでアプリを作ったらSaaSを解約できた話 -
第114回
ITトピック
旅の途中で金沢のSORACOM UGに参加したら、地方勉強会の良さを改めて体感できた話 -
第113回
ITトピック
AIが商品を選び AIが店を切り盛りする -
第112回
TECH
ドワンゴサイバー攻撃で改めて認識したい「皆さん他人事じゃないです」 -
第112回
ネットワーク
IoTはオワコンじゃない 10年目のソラコムイベントで見た熱狂 -
第111回
ITトピック
スピッツの曲に見た「人の価値創造」 及川さんの話、刺さりすぎです -
第110回
エンタープライズ
PC管理はもう勘弁 Windows 365 Linkへの関心に情シスの叫びが聞こえる -
第109回
ITトピック
コードも行動も「バイブス」の時代? 情報オーバードーズに疲れて人が行き着く先 -
第108回
ITトピック
Skypeよ、安らかに眠れ コミュニケーションがアプリになる世界をリード - この連載の一覧へ








