このページの本文へ

「さくらインター」はデジタル赤字の解消に本気だ

2024年12月27日 12時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

UpdataNOW24に登壇するさくらインターネット代表取締役社長の田中邦裕氏

 先日、記事化したさくらインターネット代表取締役社長の田中邦裕氏の講演は、同社を知らない聴衆に対して、改めて田中氏の経営ポリシーや会社の立ち位置を紹介していたのが印象的だった(関連記事:最近話題のさくらインターネット 成長と余白で変化に対応してきた28年の知見)。

 ビジネス誌に「さくらインター」と書かれて話題になった同社だが、インフラ領域を扱っていたこともあり、多くのビジネスパーソンにとっては正直なじみのない会社だった。しかし、ガバメントクラウドや生成AIにおけるGPUクラウドへの投資で、この1年で急速に存在感を増している。田中氏も自ら「以前に比べて、知ってるよと言われることも増えました」と講演の冒頭で語っていたが、まさに認知度の向上を実感してのコメントだろう。

 この1年の同社の動きは、外資系サービスへの依存により、デジタルの分野で赤字を垂れ流している現在の日本への強い危機感が見て取れる。10月に発表されたエクイニクス・ジャパンとの提携は、初のアジア進出を前提としている。また、クラウドインテグレーターFIXERやNEC、ヤマハなど国産事業者との連携はオール国産でのサービス提供を目論んでの施策であろう。生成AIプラットフォームやネットワークを、さくらインターネットのインフラ上で提供することで、「国産製品のベストプラクティス」を実現しようという意図を強く感じる。

 もちろん、GPUクラウドを中心とした自社サービスの開発も加速。生成AIのRAG開発に必要不可欠なベクターDBまで提供するとは思わなかった。「デジタル赤字解消」を旗印に掲げ、国内クラウド市場の「台風の目」となってきたさくらインターネットの動向には今後も目が離せない。

文:大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    IT技術者の4割が「5年後のスキル陳腐化」に危機感/働くシニアは多いが「長く働きやすい」環境ではない日本/トークンコストの成果証明は難しい、ほか

  2. 2位

    ビジネス

    最大5つのプロジェクトをひとつの“ガントチャート”に Backlogに俯瞰が捗る新機能

  3. 3位

    データセンター

    AIデータセンターの「電力・冷却課題」打破へ シュナイダーが営業・設計・現場を直結する新組織立ち上げ

  4. 4位

    TECH

    二酸化炭素を資源に変える新触媒、新しい合金を電気で合成

  5. 5位

    デジタル

    ヤマハ、RTX1300の「ひかり電話アダプターモード」を解説する無料ウェビナーを10月15日に開催

  6. 6位

    クラウド

    NTTドコビジが「GPUaaS」提供へ 1分単位で利用でき、ハイブリッド構成も可能

  7. 7位

    サーバー・ストレージ

    「身代金を払えば復元できる」は過去の幻想――約束を守らない攻撃者と変容するランサムエコシステム

  8. 8位

    ソフトウェア・仮想化

    Microsoft IQとは? AIエージェントが必要とする理由は? マイクロソフトの担当幹部が解説

  9. 9位

    デジタル

    クリーニング屋が人手不足を“人手以外で”解決 一度は手放したkintoneを復活させ、AIで販管費を半減するまで

  10. 10位

    sponsored

    ルールは作ったが… 現場の「勝手にAI利用」が止まらない! どうやったら防げた?

集計期間:
2026年09月24日~2026年09月30日
  • 角川アスキー総合研究所