世界を知る投資ファンド運営者が語る日本のスタートアップが勝つための選択肢
Carbide芳川裕誠氏×DG Daiwa渡辺大和氏×IT-Farm春日伸弥氏、クロスボーダーVC1万字対談
提供: XTC JAPAN
今の日本とシリコンバレーで起きていること
春日:世代という視点では、シリコンバレーの第一世代のベンチャーキャピタリストが60歳代になり、そろそろリタイアする時期に差し掛かり、世代交代が起きています。面白いのは、60、70代が引退したら、50、60代が引き継ぐのではなく、そこを飛ばして40代になる波が起きている点です。
芳川:巨大な世代交代が起こっているのは間違いない。また、ファームの交代も起こっている。例えば、かつては大手VCが市場を支配していたのに対し、今では新興のVCファームが台頭し、多様な投資機会を提供しています。
春日:ファームの交代と世代交代はリンクしているのではないでしょうか。世代交代によってネットワークが引き継がれず、下剋上のダイナミズムが起こっているようにも感じます。
芳川:VCでは日本の米国化、米国の日本化が進んでいます。我々のようなスタートアップ経営者出身の投資家は日本では少ない。逆に、かつては我々のような投資家のほうが米国ではマジョリティーだったのです。今では米国が日本化し、トップMBAを出たばかりのパートナーが著名VCにいたりします。
渡辺:そう考えると、我々がグローバル投資をして、世界へ殴り込みをかけにいくチャンスかもしれませんね。
芳川:我々の世代がやらなければいけない、という社会的なミッションは冒頭に伝えたとおりです。第一世代のアスキーの西和彦氏やソフトバンクの孫正義氏、1.5世代の三木谷浩史氏、それに次ぐビットバレー世代はみんな巨大企業を作っています。しかし、我々の世代からは国際的なインパクトを持つような巨大企業はまだ生まれていません。
渡辺:世界と比較しても、東京という場所は快適すぎて、現状を変えたいというエネルギーが生まれにくいのかもしれませんが、そこを変えていきたいですね。



























