応用が利かない?だがそれでいい。現場の即戦力を育てるAI英会話
グローバル化が加速する中、バイリンガル人材の需要が高まっている。企業側は即戦力となる人材を求めているが、TOEICのスコアは高いのにビジネスの現場ではうまく話せないという人は少なくない。ICTスタートアップリーグに採択されている株式会社ファボテクノロジーズは、特定のビジネスシーンに基づいた英会話が学べるパーソナライズAI英会話アプリ「DAIAL」を開発している。
「DAIAL」の特徴は、ユーザーが話したいビジネスシーンを極限まで細かく生成できることだ。例えば、「この工場のこのレーンのこの作業での会話」といったシーンを再現できるので、業種や職場に応じた専門用語や言い回しが覚えられる。作成したシーンはDAIALプラットフォーム上に共有され、ほかのユーザーが生成したシーンも利用できる。現在は企業5社とPoCを実施しており、業界特有の用語や会話シーンをAIに学習させているそうだ。
AI英会話アプリは数多く存在するが、バイリンガル並みの実力をつけるには時間がかかる。「DAIAL」は、現場のシーンで使う英会話から効率よく学べるため、短期間の学習で即戦力になれるのが強みだ。企業側は、バイリンガル人材の採用競争が激化する中で従業員の英語研修に力を入れているが、資格取得後に転職されるリスクもある。特定シーンの会話を学ぶ「DAIAL」は他の職場での応用は利かないかもしれないが、それがかえって企業にとっては従業員の離職率を抑えるというメリットになりそうだ。
文:スタートアップ研究部
ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、気になる取り組み、また成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みからそれらをピックアップしていく。
※ICTスタートアップリーグとは?
ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/




























