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石川温のPCスマホニュース解説 第224回

孫正義会長がAIの“水晶玉”に見た、iPhone独占販売に近い「勝ちパターン」

2025年02月05日 17時00分更新

文● 石川温

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「OpenAIだけの一点買い」という大バクチ

 ここ最近、孫氏の傾向として、特定の人物に心酔して痛い目を見ることが多い傾向がある。孫会長の後継者として最も有力視されたニケシュ・アローラ氏とは毎日のように電話をしあう仲であったが、あっさりと退任されてしまった。ニケシュ氏には退職金として68億円、報酬総額では310億円も持っていかれたのであった。

 また、孫会長がAIに首ったけになりはじめたころ、なぜかレンタルオフィスのWeWorkに対して「これはAIだ」と主張して、アダム・ニューマンCEOに惚れ込んで、結果的に2兆円近い損失を出したこともあった。

 すでにChatGPTで世界から評価されているサム・アルトマンCEOに孫氏が裏切られる事なんて考えられないが、ただ、生成AI業界は動きが早く、新しい技術も相次いで登場している。そんななか、OpenAIだけの一点買いは、大バクチのようにも見える。

 とはいえ、これまで何度もリスクを跳ね返してきた孫会長だけに、手にしたクリスタルにはすでに成功の絵が見えているのかもしれない。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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