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石川温のPCスマホニュース解説 第224回

孫正義会長がAIの“水晶玉”に見た、iPhone独占販売に近い「勝ちパターン」

2025年02月05日 17時00分更新

文● 石川温

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ソフトバンクからOpenAIに毎年4500億円を注入する仕組み

 当時は、今から考えられないが、ビジネスの現場でもガラケーが当たり前であり、iPhoneを導入している企業は限られていた。ソフトバンクとしては、アップルからの販売圧力もあったようで、なんとか法人にiPhoneを大量導入したいと考えていていた。

 そこで、ソフトバンクでは、自社内でiPhoneやiPadを徹底的に活用。その知見を元に、得意先の法人でiPhoneを売りまくったのだった。iPhoneの良さを知るには、まず自分たちで活用しまくるのが重要というわけだ。

 今回のクリスタル・インテリジェンスも、まずはソフトバンクの全社員が自分たちで徹底的に使い倒すことで活用事例をつくり、実体験を武器に営業先に売り込んでいくつもりなのだろう。

 クリスタル・インテリジェンスを実現するにあたり、孫会長はソフトバンクグループが毎年、OpenAIに使用料と開発費として4500億円を支払うとした。

 世界最先端の生成AIを開発するOpenAIは現在も資金が足りず、赤字が続いているとされている。孫会長としてはAGI革命を本気で実現したいと考えているなか、OpenAIのサム・アルトマンCEOに出会った。OpenAIには是が非でも成功を収めてもらいたいと、孫会長は毎年、資金を注入させる仕組みを作ってしまったようだ。

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