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石川温のPCスマホニュース解説 第224回

孫正義会長がAIの“水晶玉”に見た、iPhone独占販売に近い「勝ちパターン」

2025年02月05日 17時00分更新

文● 石川温

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iPhone独占販売に近いスキーム

 今回のスキームは、まさに孫会長の「勝ちパターン」に近いような気がしている。

 ソフトバンクは数年前まで自社で先端技術やサービスを持ち合わせるような会社ではなかった。孫会長はアメリカでのテックトレンドをいち早く察知し、創業者と仲良くなり、出資をして日本に持ち込むという戦術で成功を収めてきた。

 検索エンジンであるヤフーと日本法人を設立する際も合弁会社を設立(当時はソフトバンクが60%、米ヤフーが40%)。アメリカのサービスを日本にローカライズすることで、一気に日本に定着した。

 今回、過去の事例に最も近いのがiPhoneだ。

 いまから15年以上前、ソフトバンクがアップル・iPhoneを日本で独占的に扱った際、孫会長が特に注力したのが法人企業開拓であった。ソフトバンクが主催している法人顧客向けイベントの基調講演において、孫氏は「iPhone、iPad、どちらも持っていないという人は、今日から人生を悔い改めていただきたい」と高らかに宣言。

 iPhoneとiPadを武士の小刀と大刀になぞらえ、両方を携帯する「二本差し」こそが、現代の武士であるビジネスパーソンのたしなみだと説いたのだった。

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