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GoPro2台でいい。チームスポーツを強化する新常識

特集
世界に挑むICTスタートアップリーグ 成功への道

 プロスポーツ界ではデータ分析が急速に普及し、チームの戦略や選手のパフォーマンス向上に活用されている。令和5年度のICTスタートアップリーグに採択されている株式会社Playboxは、アマチュアのスポーツチーム向けに安価で高精度なスポーツ分析ができるAIサービスを開発している。

 開発中のplayboxは、スポーツの撮影・編集・共有を自動化するプラットフォーム。撮影にはGoPro Heroを2台使用し、専用の器具を取り付けるだけで簡単に導入できる。AIによる自動調整機能を搭載し、カメラを操作することなく、独自ソフトウェアがプレーの流れや選手の動きを捉えて、ピッチ全体からズームアップまでを切り替えながら撮影してくれる。また、試合や練習の重要なシーンを自動的に識別してゲームを分析し、チームの戦略や選手のパフォーマンス改善に役立てられる。撮影・分析の結果は自動編集され、チームのメンバーやファンと共有が可能だ。現在は、サッカーJ1チームで有償トライアルを実施しており、今後はほかのスポーツへも展開していく計画だ。

 海外では、スポーツベッティングや選手の移籍にも分析ツールが使われており、拡大が期待される市場だ。playboxの利用料は月額のサブスクリプションを予定しており、GoPro Heroは1台約3万円なので初期コストは6万円程度。プロ向け製品の約半額で同等の分析ができるのがウリだが、アマチュア向けの分析ツールには、スマホアプリなどの競合も多い。安さをウリにするだけでは競合との価格競争になってしまう。いち早く有名チームと組み、ブランディングできるかが成功のカギになりそうだ。

文:スタートアップ研究部

ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、気になる取り組み、また成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みからそれらをピックアップしていく。

※ICTスタートアップリーグとは?

ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/

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