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具体像と目標数値の公表が望まれる中期の成長戦略

シャープの相次ぐ資産の売却、これは過去との決別であり、再成長の足掛かりなのか?【CEO年頭挨拶】

2025年01月08日 06時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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 シャープの沖津雅浩社長兼CEOは、2025年1月6日、社内イントラネットを通じて、社員に向けたメッセージを発信。そのなかで、2025年5月に予定している2024年度決算発表において、新たな成長戦略を打ち出すことを明らかにした。

シャープの沖津雅浩社長兼CEO

具体的な像がまだ見えてこない、アセットライト化と再成長

 同社は2024年度を構造改革の1年に位置づけ、「アセットライト化」を推進している。ブランド事業に集中した事業構造を確立して、負のサイクルから脱却することを目指してきた。2025年から2027年度においては、「再成長」のフェーズとし、「成長モデルの確立」と「本社機能の強化」に取り組み、既存ブランド事業と新産業の相乗効果による正のサイクルを創出することを目指している。

 だが、2024年度の時点では、こうした方針を示してはいたものの、具体的な数値目標には一切言及していない。

 シャープの沖津社長兼CEOは、「2024年度も、最後まで全社一丸となって業績向上に取り組もう。そして、5月の本決算で公表値達成を発表し、新たな成長戦略を打ち出すことで、反転攻勢し、シャープ再成長の狼煙(のろし)を上げ、次のステージへと歩みを進めていこう」と、社員に呼びかけた。

 「再成長」のフェーズと位置づけていた3ヵ年の新たな成長戦略が、具体的な数値目標を掲げた成長計画として発表されるかどうかが注目される。

 新年のメッセージでは、「再成長に向けて」と題して、2024年を振り返るとともに、2025年の抱負について述べている。

 冒頭では、2024年に、日経平均株価が約34年ぶりに史上最高値を更新し、日本経済に新たな成長の兆しが見えてきたこと、国際社会では、アメリカ大統領選挙をはじめ、各国で重要な選挙が行われた「選挙イヤー」となり、これから政治的転換期を迎える可能性があることを指摘。さらに、生成AIの普及により、企業や個人の働き方、クリエイティブな活動が大きく変化しはじめ、今後は、こうした技術をいかに使いこなすかが企業の競争力を大きく左右する時代に入ってくることを示唆した。

 その上で、「シャープにとっての2024年を振り返ると、5月に中期経営方針を発表し、6月末に新体制を始動。その後着実に業績を積み上げ、上期には2年ぶりとなる営業黒字を達成することができた。また、今年度の最重要経営課題である『アセットライト化』についても、各プロジェクトが着実に進展している」と報告した。

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