戦国LOVE Walker総編集長・玉置泰紀の戦国メタ散歩 第12回

まるで「お城の夢空間」や! 全国の城好きが大集結した「お城EXPO2024」が熱すぎた

文●置泰紀(一般社団法人メタ観光推進機構理事)

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 「お城EXPO2024」がパシフィコ横浜にて2024年12月21日、22日の2日間、開催された。同イベントは、2016年から毎年12月に、城郭文化の振興と発展やお城好きの人たちの交流を目的に開催されている日本最大級のお城の祭典。2023年の「お城EXPO 2023」は過去最大の出展団体数、18,088人の来城者を集めたが、今年は好天に恵まれ、そのどちらも上回って、大いに盛り上がった。筆者も3年連続で入城してきたぞ。

イベントステージで12月21日、初登場の田村淳氏Presents「淳流お城の楽しみ方」は大人気で、立ち見客も出て入場制限の人気だった

城めぐり観光情報ゾーンは出展団体が98団体を数え、初日スタートから大賑わい

岸和田城ブースで筆者。2024年11月に天守復興70周年を迎えた岸和田城は、春・夏・秋・冬とイベントを実施してきたが、2025年2月24日には、岸和田城冬の陣『岸和田城武者行列&天正楽市』を開催する。

シン・忍者展に、城郭ジオラマ、田村淳 氏のスペシャルステージなどなど企画が満載すぎた!

 会場では、城めぐり観光情報ゾーンの展示ブースはもちろん、全国各地の武将隊やご当地キャラが出演するイベントステージ、セミナーやワークショップなど、子供から大人まで楽しめる多彩なプログラムが展開された。ここでしか聞けない貴重な講演会、フォーラム、トークショーでは、数々の大河ドラマで時代考証を担当してきた日本城郭協会理事長の小和田哲男氏をはじめとするお城のスペシャリストたちによる講演や、お城好きとして知られる春風亭昇太氏によるトークショー、「信長の野望」シリーズ・エグゼクティブプロデューサーのシブサワ・コウ氏によるトークライブ、田村淳氏のスペシャルステージ、各地の学芸員による最新のお城情報のセミナーなど充実のプログラムで盛り上がった。

 1日目の閉城後の「サタデーナイトプログラム」では、東京都交響楽団のメンバー(=「NINJA BRASSとお忍びの姫君」)が、歴史・武将ドラマのテーマ曲のスペシャルコンサートを開催。さらには、平山優氏らによるパネルディスカッション「小牧・長久手合戦と城郭」も行われた。

 他にも、「城の自由研究コンテスト優秀作品展」「お城シアター」「城郭ジオラマ展示」などが展開され、お城の魅力を多彩に楽しめた。筆者も忍者体験などに参加してみたが、新しい歴史の見せ方は興味深かった。

 また、今回は12月23日に発売を開始した「戦国LOVEウォーカー2025」を会場で先行発売をしたのだが、おかげさまで初日の午前中にはほぼ完売し、改めて、お城EXPOの入城者の熱さに触れることが出来た。

●シン・忍者展

 STEAM教育の視点から忍術を紹介。現代にも活かせる忍者の知恵 や知識を学び、忍者マスターを目指して楽しめた。筆者も忍者の歩き方に挑戦したが、うまく歩かないと畳がきしんだり、様々な仕掛けがしてあり、忍者気分が味わえた。

●城ラマ展 籠城戦を戦い抜いた城

 二宮博志氏が地形や縄張りにこだわり制作している「城ラマ」シリーズ。この中から、かつて籠城戦が行われた城、7点を二宮氏自身による解説パネルと共に展示した。城郭ジオラマの世界に大きなインパクトを与えた「城ラマ」の過去最大の展示。

上田城

高天神城

●企画展示「城郭からみる日本遺産」

 文化庁は地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」として認定している。これらのストーリーの構成文化財となっている城郭を様々な角度から紹介した。お城だけでなく、周辺の産業など、土地の成り立ちを新鮮な切り口で紹介していて面白い。

●田村淳Presents「淳流お城の楽しみ方」

 田村氏の生い立ちから、なぜお城が好きになったかの話から、今、関わっているお城絡みのテレビ番組の話や、実際にお城の観光大使としての活動、お城の楽しみ方などをわかりやすく解説していて、立ち見も出た観客とのやり取りも盛り上がった。

●城めぐり観光情報ゾーン

 日本各地、全国のお城や城郭の関連団体などが、お城のことを深く知ることができるミニゲームや展示などで、とっておきの情報を発信した。過去最大の出展団体が集まり、多くの人でにぎわったが、参加団体同士の交流も起こり、さらなる、お城文化の発展が期待される。

■お城EXPO 2024
開催日:12月21日・22日
開催会場:パシフィコ横浜 ノース・アネックスホール (横浜市西区みなとみらい)

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