戦国LOVE Walker総編集長・玉置泰紀の戦国メタ散歩第4回

#ファミリーにオススメ #忍者体験 も出来る!勝手に認定【夏休みに家族で行きたいお城No.1】小田原城とその周辺を散歩してきた♪

文●山本篤史(角川アスキー総合研究所「戦国LOVEWalker」編集長)

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 皆さん、初めまして!戦国LOVER歴40年以上の「戦国LoveWalker」編集長・山本です。

 22年12月発行のムック「戦国LOVE Walker」は、戦国時代にフィーチャーし、歴史自体の面白さと旅行や観光といったそのエリアの楽しみ方を掛け合わせて、新しいお出かけスタイルを提案しました。誌面では全国各地にある戦国ゆかりのスポットを紹介しています。

 また、月1配信のYouTube生放送では、様々なテーマでトークバトルを繰り広げながら、実際に現地に赴いてのメタ散歩を実践中です。

 7月に配信された「夏休みに親子で行きたい日本の城スペシャル2023」では全国各地のお薦めの城を出演者で語りまくりました。

 番組内で「戦国メタ散歩」として私が歩いたのが小田原城&その周辺。今回は、その中で語り切れなかった小田原散歩を深堀りして紹介します!

(なお時々出現するサングラス姿の人物は私の双子の弟、アツシ・ヤマモトなので深く詮索はしないで下さい)

ついに小田原に来た~!

小田原提灯はお土産にも人気

 小田原駅の改札を出ると真っ先に目につくのは巨大な小田原提灯!小田原に訪れた気分を盛り上げてくれます。

 この小田原提灯、江戸時代中頃、宿場町であった小田原から箱根越えを目指す旅人のために考案されたもので、折り畳んで携帯しやすいのが特徴。童謡「お猿のかごや」にも登場するのでお馴染みです。お散歩はここからスタートです。

駅から徒歩圏内の小田原城址公園へ

 小田原駅から天守閣は既に見えているのでそれを頼りに歩いて向かいましょう(バス便もあります)。東口から徒歩10分程度で小田原城址公園に到着。入口はいくつかありますが今回は正面口よりお堀を渡って「馬出門」から「銅門」へ。

お堀の先に馬出門。枡形門の構造

銅門では土日祝に普段立ち入れない内部の特別公開も

見上げると「石落とし」の表記

 さらに進むと小田原合戦の攻防図の掲示などもあります。当時いかに小田原城が絶体絶命のピンチであったか、この図からも読み取れますね。

海&三方の陸地からの包囲網が圧巻

 小田原城は、室町時代に西相模に進出した大森氏が築いた城郭が前身と言われています。1500年頃、伊勢宗瑞(のちの北条早雲)が小田原に進出し、北条5代約100年の関東支配の拠点となったことで栄えました。

 天下統一にあと一歩と迫っていた豊臣秀吉の小田原攻めに備え、城と城下を囲む総延長9kmに及ぶ総構を構築しますが、1590年に北条氏は滅亡。以降、江戸時代には大久保氏、稲葉氏などが城主を務め改修していきます。

 明治3年(1870)に廃城となり、大正12年(1923)9月の関東大震災により石垣もほぼ全壊、往時の姿を偲ぶ事は出来なくなりました。

 しかし、市制20周年記念事業として昭和35年(1960)に90年ぶりに天守閣が復興。さらに平成28年(2016)「平成の大改修」も終了。現在の美しい姿となっています。

絶好のフォトスポット・本丸広場へ

背後に大きな建物もなく写真映えする天守閣

 そんな小田原城の歴史に浸っていると、いよいよ天守閣前に到着です!

 天守閣は3重4階の構造で、高さはおよそ38.7m。鉄筋コンクリート造りです。エレベーター等はないので入口から階段を使って登ります。

入口はこちらから

 内部には、武具・甲冑・刀剣・絵図・古文書など、様々な資料が並び見応えがあります。

かなりレアな城郭模型

貴重な刀剣や甲冑類も並ぶ

北条五代をここで学べる

 標高およそ60メートルの最上階からは相模湾が一望できまさに絶景。城主の気分になって周囲を見渡してみるのも楽しい。さらに新幹線が小田原駅から発着する様子も見られるので電車好きのキッズにはたまらない景色です。

晴れた日には房総半島方面まで見えるとか

甲冑や忍者装束など着付け体験も!

 天守閣を堪能した後は「常盤木門SAMURAI館」に行ってみましょう。こちらでは着付け体験が出来ちゃいます。その服装で城址公園内も散歩できるのでたくさん写真を撮りたくなりますね。着付け体験には甲冑、打掛、忍者衣装があるので、いろいろチャレンジしてみました。

甲冑にも様々な種類があるのでお気に入りの一着を!

 ちなみに2階では貴重な甲冑や武具が展示されているのでこちらも必見。

壮麗な甲冑が多く並ぶ

北条五代の屏風絵

テンション上がる「小田原城NINJA館」

 さて忍者装束に着替えて「小田原城NINJA館」(歴史見聞館)にも行ってきました。

 こちらはからくり屋敷体験、手裏剣投げ体験のゲーム、風魔忍者の展示などが楽しめる忍者好きにはたまらないスポット。子供たちも大興奮間違いなしです。

掛け軸の裏に隠しスペースが!

忍者が使用したとされる手裏剣などの武器も展示

床下には隠し刀が

手裏剣投げゲームは大人も夢中になれます

池を渡るバランス感覚を試してみよう

園内には遊園地も!

 城址公園内には親子で楽しめるレトロなこども遊園地が!

 豆汽車やバッテリーカーが80円という安さで遊べちゃう。その懐かしさには感動出来ます。

可愛い豆汽車に乗ってみたい

<スポットデータ>
■小田原城址公園
(天守閣/常盤木門SAMURAI館/NINJA館⦅歴史見聞館⦆/こども遊園地)
住所:神奈川県小田原市城内
アクセス:小田原駅東口より徒歩10分
開園時間:9:00~17:00(入館は~16:30)※時期により延長あり。着付は~16:00(最終貸出15:30)
定休日:小田原城天守閣=12月31日〜1月1日、12月第2水曜日
常盤木門SAMURAI館・小田原城NINJA館=12月31日〜1月1日
公式サイト:https://odawaracastle.com/

北条早雲ゆかりの「ういろう」を買いに行って新発見

 小田原のおみやげも欲しくなりますね。ということでこちら。全国的に有名な「お菓子のういろう」の元祖。小田原城近く国道1号線沿いにある威風堂々たる建物が650 年続く「老舗ういろう」。外観からして「ここはお城の一部⁉」と思ってしまうような迫力!ちなみに経営者の名前も「外郎(ういろう)」さんなのだそうです。

 中国から渡来した外郎家。先祖代々に伝わる薬を商い、室町時代に外国使節の接待用に考案した米粉の蒸し菓子が「ういろう」の起源。北条早雲に招かれて小田原に定住し、25 代にわたり守り継がれる薬と菓子はどちらも「ういろう」の愛称で親しまれています。小田原名物として歌舞伎の演目「外郎売」や十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも取り上げられているのです。

 「ういろう」はもっちりした食感とほのかな甘さが特徴で「かながわの名産100選」にも選ばれています。

歴史を感じる銘菓「ういろう」

薬のういろう「透頂香(とうちんこう)」も販売されている

 そして実は、お店の奥に明治18年築の蔵を利用した「外郎博物館」があります。店員さんに声を掛ければ無料で案内してもらえます。まるでRPGの隠し扉のように、蔵の扉が静かに開く瞬間は感動すること間違いなし。

この扉の向こう側が博物館

 「ういろう」の名の由来、お菓子と薬の起源、歌舞伎十八番「外郎売」との関係など紹介しており、小田原で最も古い商家ゆかりの品々も展示しています。歴史や文化を学べるところなので、夏休みの自由研究にもなりそう。

「涼風」(抹茶パフェ)

 併設する和風喫茶ではういろうを食べることはできないのですが、季節の創作甘味や本格的なお抹茶と共に上生菓子などが堪能できます。小田原を散策しながら老舗の味で一服してみてはいかがでしょうか?

<スポットデータ>「ういろう」
住所:神奈川県小田原市本町1-13-17
アクセス:小田原駅東口より徒歩15分
営業時間:10:00~17:00
定休日:水、第3木定休
公式サイト:https://www.uirou.co.jp/

無料の足湯で和む~♪

 さて城内の散策やお土産の購入でたくさん歩いた後は疲れを癒したいですね。

 小田原駅直結の施設「ミナカ小田原」の14F「展望足湯庭園」には何と無料の展望足湯があるのです。エレベーターを使って上がってみましょう。

 箱根湯本から運ばれた天然温泉に足を浸しつつ、ほぼ目線と同じ高さにある小田原城天守閣を眺めればリラックスできますね。しかもこれが無料!(タオルは持参or100円で販売もあり)

 同じ14Fには、展望の楽しめるレストラン 「スカイダイニング」もあるので、こちらでランチもオススメです。

疲れがとれていくのを実感

視線の先には小田原城天守閣が

<スポットデータ>ミナカ小田原「展望足湯庭園」
住所:神奈川県小田原市栄町 1-1-15
アクセス:小田原駅東口より徒歩 3 分
営業時間:10:00~19:00
定休日:なし
公式サイト:https://www.minaka-odawara.jp/

小田原の海の幸を味わいに

 さてお腹も空いてきたところで、小田原グルメを食べていきましょう。小田原は海も近く、また山の幸も豊富なので、美味いものがそろっています。

商店街の中の趣ある店舗

 今回は小田原駅から徒歩2分、地場の海鮮が楽しめる、地元でも評判の居酒屋へ。「彩酒亭 洞」では季節ごとの素材が並び、様々なアレンジでメニューに並びます。

日替わりの地魚もチェック

 伺った際にはアジが美味しいということで、季節のミニ丼(アジとマグロ)、地魚フライとして頂きました。揚げたてアジはホックホク♪ハーフサイズのメニューもあるのでファミリーでも頼みやすいのが嬉しいですね。

 そしてこちらの名物である「洞のだし巻き玉子」は必食です(こちらもハーフサイズあり)。ふわトロ食感がクセになります。

<スポットデータ>「彩酒亭 洞」(さいしゅてい ほら)
住所:神奈川県小田原市栄町2-5-5
アクセス:小田原駅東口より徒歩2分
営業時間:17:00〜23:00
定休日:日曜日
公式サイト: https://www.instagram.com/holla005/

 さて様々な魅力あふれる【夏休みに家族で行きたいお城No.1】小田原城とその周辺を散歩してきましたがいかがでしたでしょうか?学んで、遊んで、食べて、癒されて、一日しっかり満喫できる小田原に遊びに行ってみてください。

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