前へ 1 2 次へ

第5回 アスキー編集部が「Backlog」で仕事を楽しくしてみた

“ツールを入れただけ”じゃ、プロジェクト・タスク管理は回らない!

Backlogの利用をチーム内で定着させたい? 初歩のノウハウをまとめます

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ヌーラボ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

注意点:タスクの「完了」は統一ルールを作ろう

 複数人のチームでプロジェクト・タスク管理を進める場合、ひとつ気をつけたいのが、課題の状態を「完了」にする条件です。どういう条件を満たしたら「完了」にしてよいのか、その認識が担当者間でバラバラだと「まだやり残している作業があるのに『完了』にしてしまい、皆が見落とす」といった事故も起きかねません。

 今回サンプルにしている特集記事制作のチームでは、次のようなルールを決めました。つまり特集全体の担当者(責任者)が、最後に記事掲載を確認したうえで「完了」にするというルールです。

・個別記事制作の担当者:記事の掲載を終えたら、子課題の状態を「処理済み」にして、担当者を特集全体の担当者に変更する
・特集全体の担当者:子課題の担当の引き継ぎを受け、記事の掲載を確認したうえで、子課題の状態を「完了」に変更する

 このルールはあくまでも一例であり、実際にはタスクの内容やチームの構成、責任分担などに応じて決めてください。また、ルールとして決めた「完了条件」については、課題の概要欄やプロジェクトのWikiページに書き込んでおくとよいでしょう。

課題の概要欄に「完了条件」のルールを書き込みました

プロジェクト・タスク管理を「楽しんでもらう」心がけを

 このようにして、まずは自分がリードしながらプロジェクト・タスク管理を続けていけば、メンバーも自然と慣れ、Backlogの利用が習慣化してくるはずです。さらに、個人単位でのタスク管理にもBacklogを使うよう勧めれば、より早く慣れると思います。

 さらにBacklogを積極的に使ってもらうためのコツは、プロジェクト・タスク管理を「楽しんでもらう」ことです。

 プロジェクト・タスク管理においては、ともすればプロジェクトメンバーどうしが「進捗を管理する/管理される」関係に分断され、「自分のタスク以外は無関心」といったギスギスしたものになってしまいます。それよりも「メンバー全員で協力して成功を目指す」「進捗は互いにほめ合う、喜び合う」といった雰囲気のほうが、ハッピーに取り組めて楽しいでしょう。

 こうした雰囲気づくりは、管理ツール(Backlog)よりも、リーダーの心がけや言葉づかい、コミュニケーション態度などの影響が大きいと思います。ここはぜひ頑張りましょう(筆者も頑張ります)。

 とは言え、Backlogにもできることがあります。Backlogは、チーム内のコミュニケーションツールとしてコメント機能を備えています。そして、そこでのコミュニケーションが“無味乾燥な業務連絡”になるのを防ぐために、あえて「絵文字」や「スター」の機能を付けています。

 このスターには何か特定の意味合いがあるわけではないのですが、コメントに対する「いいね!」の意味、あるいは「見たよー」と知らせる意味で使われることが多いようです。クリックすればいくらでもスターが付けられるので、「すごくいいね!」の気持ちを表すために、何十個も付けるユーザーもいるそうです(無料でスター付け放題です!)。

コメントに絵文字を入れるとなんだか楽しくなります

スターも付けられます。好きなだけ付けられて気持ちいい!

* * *

 今回は、チーム内でのプロジェクト・タスク管理を実際に進めながら、Backlogの利用を定着させるためのノウハウを考えてきました。ちなみにBacklogのブログでは、定着化のために「やらないほうがいいこと」も紹介されていました(以下の3つ)。つまり、取り立てて“特別な秘訣”などはなく、リーダーがあきらめず、粘り強く引っ張っていくことが大切だということでしょう。

■やらないほうがいいこと
 ・すべてをいきなり刷新しようとすること
 ・最初からドラマチックな成果を期待すること
 ・変化を諦めてしまうこと
 (引用元:Backlogを組織に定着させる3つのステップ ~変化は一日にしてならず

 さて、前回と今回の記事では“社内の”チームメンバーと共同でプロジェクト・タスク管理を進めてきました。ただし、プロジェクトによっては社外のメンバーとの共同作業も必要になります。「新規メンバーとして、プロジェクトに招待して参加してもらう」という基本は変わりませんが、情報漏洩防止やセキュリティの面では少し心配です。

 そこで次回は、社外メンバーを加えたプロジェクト・タスク管理の方法、気をつけるべきポイントなどを見ていきたいと思います。

前へ 1 2 次へ

過去記事アーカイブ

2025年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2024年
04月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
08月
09月
2019年
10月
2018年
05月
07月