このページの本文へ

虎ノ門ヒルズで『女の子のためにスポーツを変えるウィーク - COACH THE DREAM -』が開催

女性アスリートの未来を考える国際イベント開催

2024年12月18日 06時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2024年10月16日~20日、東京の虎ノ門ヒルズで「女の子のためにスポーツを変えるウィーク - COACH THE DREAM -」が開催された。

 同イベントは、スポーツを通じて子どもや若者の支援に取り組む国際組織「ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団(以下「ローレウス」)」とナイキが共同で実施したもの。今回は、3日目に開催された本イベントのハイライト「東京サミット」の模様を紹介する。

スポーツを楽しみたい女の子の未来を考えるイベント

 ローレウスとナイキは、2020年にプロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手と共に「プレー・アカデミー with 大坂なおみ(以下、「プレー・アカデミー」)」を設立。「プレー・アカデミー」では、女の子がスポーツを続けていくのに必要な、安心安全なスポーツの場づくりや指導者研修など、スポーツを楽しみたい女の子の未来のための活動を行っている。

 今回実施された「女の子のためにスポーツを変えるウィーク - COACH THE DREAM -」も、「女の子とスポーツを取り巻く課題とそれらに対するアプローチを話し解決策を提示すること」が目的となる。

 マスターコーチ研修やガールズセッションなど、5日間それぞれでさまざまな催しが行なわれ、10月18日には本イベントのハイライトである「東京サミット」が開催。

「東京サミット」は、午前と午後の2部構成になっており、午前は国内外のアスリートが登壇し、女の子のスポーツを取り巻く環境や課題、解決方法などをディスカッションした。

スポーツに取り組み女の子の実情

 午前の部では、まず「プレー・アカデミー」に参加している大学生と中学生の2名が登壇。「私にとってのスポーツ」をテーマにしたスピーチを行った。

 桃山学院大学4年生の世古汐音さんは、これまでにプレー以外の悩みで競技を諦めた人を何人も見てきたこと、自身も指導者とのコミュニケーションがうまくいかずに、苦しんだことを告白。その上で、支えてくれた先生やチームメートの大切さを伝えた。今後は自身も子供たちに寄り添える指導者になることを目指しているという。

 次に、視覚障害というハンデを抱えつつも、フリークライミングと柔道の2つに取り組み、素晴らしい成果を残している中山杏珠さんが登壇。フリークライミングと柔道の2つの競技に対する感謝や、諦めないで前向きにチャレンジすることの大切さを語った。

現役アスリートや識者によるディスカッションを実施

 続いて、大学生の世古汐音さんのほか、読売ジャイアンツの田中美羽選手、前バスケットボール女子日本代表ヘッドコーチの恩塚亨氏、スポーツ界のジェンダー問題についての専門家である來田享子教授が登壇。スポーツに関わる女の子を取り巻く環境や課題などをディスカッションした。

 ディスカッションでは、「報じられる際もアスリートではなく女性という部分が先行する形になる」、「アイドル的な目線で扱われる」など、メディアの扱いにおける女性アスリートの問題などが上がった。また、指導者は女性アスリートをどう扱えばいいのといった知見の不足や、ロールモデルが少ないことなどを指摘。今後の改善などの議論が行なわれた。

 ディスカッションの第2部では、ローレウスアカデミーメンバーであり、オリンピアンのミッシー・フランクリン・ジョンソン氏、スポーツ支援団体のメーガン・バートレット氏が登壇。ナイキのヴァネッサ・ガルシア・ブリトー氏が登場。自分らしくスポーツができる未来をテーマとする意見交換を行った。

 同イベントには国内外から400人以上が参加し大成功に終わった。ここでのディスカッションで生まれたアイデアやメッセージが、女性アスリートの取り巻く環境を改善するきっかけのひとつになると期待されている。

カテゴリートップへ

「スポーツビジネス」の詳細情報はこちら
  • Sports Marketing

    スポーツを活用するマーケティング戦略を追う

  • Sports Technology

    スポーツの世界を変えるテクノロジーたち

ピックアップ