カメラ性能はXiaomi 14T Proが若干リード
撮影機能は大差なし
Xiaomi 14Tシリーズの最大の特徴といえるのがカメラだ。どちらもライカが監修したトリプルレンズカメラを搭載している。広角(5000万画素)+望遠(5000万画素)+超広角(1200万画素)という組み合わせは同じだが、性能には差がある。
Xiaomi 14Tのメインカメラのセンサーが1/1.56型であるのに対して、Xiaomi 14T Proは1/1.31型の「Light Fusion 900」という大型センサーを採用。レンズF値は1.6で、明るく撮影できる。Xiaomi 14Tの望遠カメラは焦点距離が50mm相当で、約2倍の光学ズームで撮影可能。一方、Xiaomi 14T Proの望遠カメラは60mmで、約2.6倍の光学ズームで撮影できる。
両モデルで同じ被写体を撮り比べてみた。どちらもきれいに写ったが、Xiaomi 14T Proのほうがダイナミックレンジが広く、豊かな色を表現できるように感じた。
「Leicaオーセンテック」と「Leicaバイブランド」という2つのフォトスタイルから選んで撮影できることは共通。前者はライカ独自の光と影のコントラストで、自然な色調で写る。後者は彩度が強めで、映える写真を撮りたい人に適している。
14種類のフィルター(初期設定の「ノーマル」を除く)も用意されていて、その中にはライカ監修のものもあり、ライカらしいモノクロ写真を撮ることもできる。「ライカらしさを楽しめる」という視点では、両モデルの満足度は互角だ。
AI機能は共通だが期待以上に有能だった!
Xiaomi 14TシリーズはAI機能も大きな特徴となっている。Xiaomi 14T Proの「設定」画面には「AIサービス」という項目があり、「メモ」「ギャラリー」「レコーダー」などで利用できるAI機能がまとめられ、使い方を確認できる。
なお、Xiaomi 14Tには「AIサービス」という項目はなかったが、どちらの機種でも同じように利用できた。
そのAI機能だが、期待していた以上に使いやすかった。「メモ」アプリに入力した文章は、簡単に要約されたり、誤字脱字を見つけたり、翻訳したりすることが可能。処理もスピーディーで、ビジネス文章の作成などに役立ちそうだ。
「ギャラリー」では、背景を広げる「AI画像拡張」、不要なオブジェクトを消す「AI消しゴム Pro」などを利用可能。画像拡張は比較的自然に見える仕上がりだったが、消しゴムは消え方が不完全だったり、オブジェクトの認識がうまくいかなかったりすることもあった。これに関してはグーグルの「消しゴムマジック」を使ったほうがいいかもしれない。
「レコーダー」アプリは、録音後に言語を指定して文字起こしができ、さらに翻訳したり、要約したりもできる。著作権フリーの日本語と英語の文章を音声出力させて、それを録音して試してみたが、処理が速く、翻訳精度も高いと思えた。使い勝手は、PixelやGalaxyといった、他社のスマホを一歩リードしている印象だ。
ほかに、外国人と話すときに役立つ「AI通訳」機能も搭載。グーグルの「かこって検索」も利用可能。「Gemini」アプリもプリインされて、電源ボタンの長押しで起動できるようになっている。
充電速度ではXiaomi 14T Proが圧勝
バッテリー容量は、どちらも5000mAh。2台を同じように使ったわけではないが、Xiaomi 14T Proのほうが電池持ちがいいように感じた。とは言え、わずかな差でどちらも使い方によっては2日くらいは持ちそうだ。
急速充電はXiaomi 14Tが67W、Xiaomi 14T Proが最大120Wという差がある。どちらも充電器が同梱されていて、14Tは約50分、14T Proは約19分でフル充電できるという。筆者は、充電器を借りていなかったので、自前の90Wの充電器で充電してみた。Xiaomi 14Tは残量20%の状態から40分で96%に達した。一方、Xiaomi 14T Proは20%の状態から20分で93%に達し、24分ほどで100%になっていた。充電速度を再重視するならXiaomi 14T Proの一択だろう。
先に発売されたXiaomi 14 Ultraとの差分は?
筆者は5月に発売された「Xiaomi 14 Ultra」をプライベートで使っている。ライカ監修のカメラを搭載し、日本では同梱されるフォトグラフィーキットを取り付けることでカメラさながらの操作性も実現する。
今回、Xiaomi 14Tシリーズを使ってみたが、カメラ性能と使い勝手はXiaomi 14 Ultraに優位性があるものの、AI機能の充実度はXiaomi 14Tシリーズが大きく上回っていた。また、14 Ultraは非対応だったおサイフケータイを使えることも利点。スマホとして総合力では14Tシリーズに分がありそうだ。
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