Zen 5アーキテクチャーをベースに第2世代3D V-Cacheを搭載した「Ryzen 7 9800X3D」が発売され2週間近くが経過した。どのショップも入荷するそばから売り切れてしまい、入手困難な状況が続いているようだ。
物理8コアCPUに8万6800円は高いか安いかという議論はあるが、今のところPCゲームにおいて最高のパフォーマンスが得られ、かつ消費電力や設定においても扱いやすいというメリットを考えると、実力相応の価格設定でないかと筆者は評価している。
前回の記事ではゲーム56本を用いてRyzen 7 9800X3Dが既存のCPUに対しどの程度優れているかを検証した。ゲーム側の画質設定を下げたレイテンシー重視の設定では、Ryzen 7 9800X3Dは7800X3DやCore i9-14900Kに対し圧倒的な強みを発揮した。今回は高画質設定におけるパフォーマンス比較を試みる。
検証環境は前回からまったく変更していない。Resizable BARやSecure Boot、メモリー整合性やHDRといった機能はすべて有効、さらにインテル環境はAPO(Intel Application Performance Optimization)も有効化している。GPUドライバーはAdrenalin 24.10を、Windows 11は確実性を重視し23H2を選択した。
AMDテスト環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 7 9800X3D」(8コア16スレッド、最大5.2GHz) AMD Ryzen 7 7800X3D (8コア/16スレッド、最大5GHz) |
CPUクーラー | NZXT「Kraken Elite 360」(簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASRock「X870E Taichi」 (AMD X870E、BIOS 3.10) |
メモリー | G.Skill「F5-600J2836G16GX2-TZ5NRW」 (16GB×2、DDR5-5200/DDR5-5600) |
ビデオカード | AMD「Radeon RX 7900 XT」リファレンスカード |
ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」(2TB、NVMe M.2、PCI Express Gen5、起動用)+ Silicon Power「SP002TBP34A80M28」 (2TB M.2 SSD、PCIe 3.0)× |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2) |
インテルテスト環境 | |
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CPU | 「Core i9-14900K」(24コア/32スレッド、最大6GHz、Performance Profile) |
CPUクーラー | NZXT「Kraken Elite 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASRock「Z790 Nova WiFi」 (インテルZ790、BIOS 7.01) |
メモリー | G.Skill「F5-6000J2836G16GX2-TZ5NRW」 (16GB×2、DDR5-5600) |
ビデオカード | AMD「Radeon RX 7900 XT」リファレンスカード |
ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」(2TB、NVMe M.2、PCI Express Gen5、起動用)+ Silicon Power「SP002TBP34A80M28」(2TB M.2 SSD、PCIe 3.0)× |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2) |
検証の方針
本稿における検証の方針を改めて示しておく。前回はGPUがボトルネックになりにくいようGPUの負荷は低くすることを強く志向し、解像度フルHD、画質は低設定もしくはそれに準ずる設定で検証を実施した。だが今回は画質重視設定であるため、解像度はWQHD(2560×1440ドット)とした。
4Kではほぼ確実にGPU側が律速になってしまうこと、さらに最近はゲーミングディスプレーとして高付加価値なWQHDモデルが伸びていることなどが理由となる。描画負荷は単純計算でフルHDの1.3倍増程度(4Kだと4倍!)になるので、WQHDはちょうどいい落としどころと判断した。
また、アップスケーラー(FSRやXeSS)は使用せずレンダースケール(グラフ中ではRSと略)は100%、つまりドット等倍表示としている。ただしFSR 3はNative AA、すなわちアップスケールは行なわずにアンチエイリアスの実装として使用する場合のみ使用可能とした。さらにフレーム生成やレイトレーシングに関しては前回同様に不使用とした。
そしてフレームレート計測はすべて「CapFrameX」を利用している。さらにフレームレート計測と同時にHWBusters「Powenetics v2」を通じてベンチマーク中の消費電力も計測した。消費電力に関してCPU単体とシステム全体の消費電力を集計しているが、CPUとはEPS12Vケーブル×2を流れる電力を直接計測したもの、システムとはEPS12Vに加えATXメインパワー/ PCIe 8ピン×2/ PCIe x16スロットの各部を流れる電力の合計である。
次のページからフレームレートを比較するグラフが延々と連なるが、ゲーム名はすべて英語表記がベースになっているが、シリーズ接頭辞(例:“Tom Clancy's”)は削除している。
目次
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