JRグループ各社は12月2日、交通系ICカードの普及やネット予約サービスの利用増加を受け、「往復乗車券」および「連続乗車券」の販売を2026年3月に終了すると発表した。
往復割引制度も廃止
往復乗車券は特定の2駅間を同じ経路で往復する際、往路と復路の乗車券をセットで購入できる仕組み。有効期間が通常の片道乗車券の原則2倍となるほか、片道601km以上乗車する場合に往路と復路の運賃がそれぞれ1割引となる「往復割引制度」も用意されており、使い方次第では片道乗車券の2枚購入よりお得に移動できる。
一方、連続乗車券は連続した2区間をそれぞれ1回ずつ乗車する際、通常の片道・往復乗車券では対応が難しいケース(往路と復路の経路が異なる等)で発行される乗車券。一般の利用者には馴染みが薄いが、複雑な旅程を組むことが多い一部のユーザーにはお馴染みの存在だ。
販売や取り扱いの終了が決まったのは上記2種の乗車券と、往復割引制度などの関連サービス。JR管内だけでなく、他社線へまたがる連絡乗車券も対象となる。
具体的な販売終了日については、後日改めて発表予定。なお、販売終了後も有効期間内の往復・連続乗車券は有効期間満了まで利用可能だ。
JR各社では今後、指定席券売機で現在とほぼ同じ操作で復路の切符を買えるよう検討を進めるほか、学生割引や一部の特別企画商品(ジパング倶楽部)の取り扱いについても変更する方針を示している。