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女性向け人材育成プログラム「Code; Without Barriers in Japan」が個人の生き方にもたらした影響

AIスキルと「自信」を身につけて、どう変わった? 2人の女性に実感を聞く

2024年12月02日 08時30分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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起業準備の一環としてCWBJに参加、「みんなで学ぶ」メリットを感じる

 もう1人のCWBJ参加者、戸田和子さんは、8年前に会社員を辞め、現在は「中小企業向けDX支援ビジネス」の開業準備を進めている。そのためにさまざまなITスキル習得に挑んでおり、CWBJも「起業準備のひとつ」として参加した。

 戸田さんは、実は2年ほど前からMicrosoft Learnを通じて、DX、データサイエンス、AIなどの学習に取り組んできた。ただし「独学での学びには、かなりの苦労もありました」と語る。一方でCWBJは、eラーニングによる自習だけではなく、さまざまなスタイルの学び、共に学ぶコミュニティがある。独学の頃はつらかったが、CWBJで仲間と一緒に学ぶ環境では「あっという間にプログラムを修了した」感覚がある。

 「社会人学習と言うと“やらされている感”を持つ人が多いですが、CWBJは楽しんで参加している人が多い印象です。さらに、独学では難しかった内容も、誰かに教えてもらうとこんなに分かりやすいものか、ということにも気づきました。みんなと一緒に学ぶことはモチベーションの維持にもつながり、学習のペースも把握しやすい。『みんなで一緒に走り切った』という達成感もあります」(戸田さん)

 CWBJのプログラムを通じて、戸田さんは生成AIの活用方法や、Azure AIによるサービスの実装について学んだという。通常、Azureを利用するためにはライセンス購入などの準備が必要になるが、CWBJで提供される「オンラインラボ」は、そうした準備なしでAIサービスを構築したり、実装したりすることができる。

 「CWBJは、Azure AIを利用できるオンラインラボが提供され、実践的な学習ができる点が特徴。文系でアナログなわたしでも、AIを活用したサービスが作れる時代がやって来たことを実感できました。“AIの民主化”を感じています」(戸田さん)

同じ目標を持つ参加者との出会いも、「ITに興味がなくても参加を」

 戸田さんは、これまでもいくつかのテクノロジーコミュニティに参加した経験を持つという。しかし、ほとんどの場合は女性の参加者が少なく、発言にも気を遣いがちだった。CWBJの参加者が女性に限定されていることで「心理的安全性」が担保されている点は大きい、と戸田さんは語る。

 また、これまでは「身につけたスキルをどう仕事につなげるか」がイメージしづらかったが、他のCWBJ参加者との交流を通じて、自身の将来像についても学ぶものがあったという。

 「CWBJに参加して、多くの人が新しい分野に挑戦したいと考え、意欲的に学んでいるのを目の当たりにしました。さらに、オフラインの交流会では『自分も変わりたい』という女性との対話を通じて勇気をもらえました。CWBJは、多くの人が『なりたい自分になるためのプログラム』だと感じます」(戸田さん)

 先に触れたとおり、戸田さんが目指すのは、中小企業のDX支援を行う新ビジネスの立ち上げだ。戸田さんはこのビジネスを「オカンDX」と呼ぶ。中小企業の“オトン(お父さん)”たちのデジタル化を“オカン(お母さん)”の力で支援する、そんなイメージだそうだ。

 「中小企業はデジタル化が遅れ、人手不足で困っています。変化しなければならないことはたくさんあり、“めんどくさい”“難しい”“無理”とデジタル化を敬遠してしまう“3M”のマインドチェンジも必要です。CWBJで学んだことを中小企業に提案し、DXの第一歩からお手伝いしたいと考えています」(戸田さん)

 CWBJコミュニティでは、同じ目標を持つ女性とも出会えた。一緒に生成AI活用やAIサービス利用を提案して、中小企業の役に立ちたいという希望を持っている。

 「なにかをやりたいときに、ITスキルを持つだけで可能性は大きく広がります。CWBJは、たとえITに興味がなくても一度は参加してほしいプログラムですし、ITに興味があるならなおさら参加してほしいですね」(戸田さん)

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