女性向け人材育成プログラム「Code; Without Barriers in Japan」が個人の生き方にもたらした影響
AIスキルと「自信」を身につけて、どう変わった? 2人の女性に実感を聞く
2024年12月02日 08時30分更新
日本マイクロソフトが2024年5年にスタートした、女性向けのAI人材育成支援プログラム「Code; Without Barriers in Japan」(以下、CWBJ)。その第1期が10月に終了した。およそ7000人の女性が参加し、うち2500人がプログラムを修了して、習得スキルを証明するデジタルバッジを取得したという。
花香さおりさん、戸田和子さんの2人は、それぞれに異なるキャリアと目標を持ってCWBJに参加した。その2人が異口同音に語るのは、キャリア形成のためにAIスキルを身につけることのメリットだけでなく、同プログラムへの参加が「生き方そのものを変える」きっかけになったという実感だ。
参加者の80%以上が「初めてAIに触れる人」、女性の新たなキャリア形成を支援
マイクロソフトがアジア太平洋地域(APAC)で展開するCode; Without Barriersは、多くの女性にAIスキル習得の機会を提供することで、AI人材として活躍できるよう支援するプログラムだ。さまざまな立場の女性をエンパワーメントすると同時に、IT業界におけるジェンダーギャップを解消する狙いもある。
APAC各国で2021年9月から順次スタートしており、これまで9カ国(シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、中国、韓国、スリランカ、バングラデシュ)で、およそ3000人のAI人材を育成してきた。
日本では2024年5月からスタート。NTT-ME、トレノケートホールディングス、パソナ、リンクトイン・ジャパンの支援を受けるとともに、テクノロジー業界のジェンダーギャップ解消やD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)促進に取り組むWomen In Tech Japanとの連携も図っている。
CWBJへの参加は無料だ。受講できるコースとしては大きく2つ、ビジネスユーザー向けの「AIを使う」と、開発者向けの「AIを創る」がある。「Microsoft Learn」や「LinkedInラーニング」を通じてAIやCopilot関連のeラーニングコンテンツを自習できるだけでなく、技術トレーニングや講習形式トレーニング、ハッカソン、パートナー企業とマイクロソフトによるメンタリング機会の提供といった幅広いオンライン/オフラインイベントも開催する。加えて、参加者どうしの交流を図るLinkedInコミュニティ、Women In Tech Japanとの共催による参加者同士のミートアップイベントなども用意し、多くの女性が共に学べる環境が提供されている。
日本マイクロソフトでCWBJを担当する河村明子氏は、「CWBJ参加者の80%以上が『初めてAIに触れた人』。事務部門やバックオフィスで働いている女性が、新たなスキルを習得して新たな仕事に就いたり、AI人材として活躍するために必要な機会を提供している」と語る。
マイクロソフトが実施した調査によると、企業のリーダー層の66%は「AIスキルを持たない人材は採用しない」と考えている。さらに71%が「経験が豊富な人材よりも、経験は浅いがAIスキルがある人材を採用したい」と回答したという。
河村氏は「AI人材の不足は社会課題となっている。その人材育成を支援することで、働き手不足の解消も図ることができる」と、CWBJが持つもうひとつの意義も強調する。