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瞬く間に日本で350万ユーザーに達したGitHubの現在地

市民権を得たソフト開発での生成AI活用 富士通もリファクタリングや障害対応に「GitHub Copilot」

2024年11月28日 08時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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GitHub Copilotがマルチモデル化、開発者を10億人に広げる「GitHub Spark」も登場予定

 このように富士通も活用するGitHub Copilot。GitHubの山銅氏は、最大のメリットは開発の「迅速化」を進められることだという。

 GitHub Copilotを利用することでコードを書くスピードが55%上がったという調査結果もあるように、開発者の日々の業務を効率化して、最終的には、ソフトウェア開発全体のワークフローを短縮できる。

 もうひとつのメリットが「セキュリティ」だ。開発の迅速化を進めていると軽視されがちな、セキュリティリスクを最小限に抑えられる。例えば、2024年8月に一般提供を開始したされた「Copilot Autofix」は、コードの脆弱性発見後に修正コードを提案してくれ、手作業よりも3倍速く修正できるという。

 そして、「GitHub Universe 2024」で発表されたのが、GitHub Copilotのマルチモデル化だ。これまでベースとなるAIモデルはOpenAIだったが、新たにAnthropicやGoogleの主要モデルも選択可能になる。今後は、開発者のプロジェクトを読み取り、最適なAIモデルを推奨してくれる機能も登場するという。

 「GitHubのユーザーは、マルチクラウドで多様なアプリケーションを開発している。AIモデルは、プログラミング言語に対して得意不得意もあり、最適なものを選べるようになる。GitHubがAIツールのハブにもなっていく」(山銅氏)

GitHub Copilotのマルチモデル化

 もうひとつ、Universeで発表されたのが「GitHub Spark」だ。同イベントでは「(コードを書かない)10億人が開発者になれるように支援する」という新たなビジョンも打ち出しており、その実現のためのツールがGitHub Sparkである。

 GitHub Sparkは、生成AIを介して、自然言語だけでアプリケーションを開発できるAIネイティブツールであり、リリースの準備が進められている。同ツールの一番のポイントは、OSS同様に世界のコミュニティと“リミックス”できることだと山銅氏。出来上がったアプリケーションを共有して、他のアプリケーションとマージしたり、共同でブラッシュアップしていくことができる。

 山銅氏は、「ソフトウェア開発を本当の意味で民主化して、アイディアを具現化するスピードを爆速にする。GitHub Sparkの今後が楽しみ」と締めくくった。

GitHub Spark

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