このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第513回
山根博士のグロスマレビュー
4万円で買えるゲーミングスマホも! コスパに優れたデザインスマホ「realme 13」シリーズがアツイ!
2024年12月01日 12時00分更新
シャオミが日本で発売した「Redmi 14C」は、2万円を切る価格ながらも美しいボディーの仕上げと必要十分なカメラ性能を備えた、コスパに優れたモデルだ。海外市場、特に東南アジアではスマートフォンはSIMフリーモデルで販売されることが一般的であり、Redmi 14Cのように価格性能比が優れたモデルに人気が集まる。
OPPOから派生したブランドの「realme」が10月に海外で発表した「realme 13」シリーズもそのような製品だ。マレーシア・クアラルンプールで行なわれた同モデルの発表会を取材したので、その新製品を簡単に紹介しよう。
背面仕上げも美しいコスパゲーミングモデル「realme 13+」
reame 13シリーズは、先に上位モデルとして「realme 13 Pro」と「realme 13 Pro+」が海外で販売されている。今回登場したのは、普及モデルといえる「realme 13」と「realme 13+」だ。カメラは必要最小限のものを搭載しつつ、ミドルレンジクラスのチップセットを搭載し、価格を抑えながらもモバイルゲームユーザーをターゲットにした製品となっている。
上位モデルのrealme 13+はチップセットにMediaTekのDimensity 7300 Energyを搭載する。ディスプレーは6.67型(2400×1080ドット)のAMOLEDで、輝度は2000ニト、1600万画素のフロントカメラも搭載する。価格は1399リンギット(約4万9000円)という設定だ。
カメラは実質シングル構成で、広角5000万画素を搭載する。センサーはソニーの「LYT-600」でOISを搭載、センサーサイズ1/1.95、絞りF1.8の性能だ。サブカメラは深度測定用の200万画素。
超広角や望遠がないぶん、撮影の幅は狭まるが、一方でポートレート撮影などのボケを活かした写真は味わい深い撮影ができる。カメラバンプも最近流行の大型の円形デザインだ。
背面は単色仕上げではなく、波紋のような非規則性のグラデーションをうっすらと施しており、毎日使っても飽きないような工夫も施されている。
本体サイズは約74.4×161.7×7.6mm、重さは185gとやや軽量である。バッテリーは5000mAhで、急速充電は80Wと高速だ。防水防塵性能はIP65で、性能はやや低いものの日常的な水回りでの使用に十分対応できる。
目立った特徴がないようにも見えるrealme 13+だが、クアラルンプールの発表会は大学で行なわれ、eスポーツプレーヤーを目指す学生や若いゲーマーなどがゲストに呼ばれた。reame 13+にはrealmeのハイエンドゲーミングモデル「GT」シリーズが採用している「GTモード」を搭載。CPUなどを最高のパフォーマンスで動作させ、PUBGなど重いゲームも90FPSで安定したプレイが楽しめるという。発表会ではゲーマーによる実際のゲームプレイも披露された。
カメラは前述したようにシングルカメラだが、記録用途としては十分と言えるだろう。realmeのカメラUIもクセは少なく、そしてシングルカメラのため倍率切替操作もシンプルだ。凝った写真を撮らないのであれば不満はないだろう。なお、動画は4K 30fpsまでに対応する。
以下は発表会会場で撮影した作例だ。写真にはrealmeならではの機能であるカラーパレットがウォーターマークに添えられている。これは撮影した写真全体の色をAIが分析し、そこから5色のカラーパレットを自動的に生成するもの。
写真の色相・色調をわかりやすく表現することで写真の新たな価値を提案でき、また撮影者の創造性を高める手助けにもなるだろう。
約4万円で買えるゲーミングスマホ「realme 13」
下位モデルのrealme 13はスペックをさらに抑えたモデルだ。チップセットはMediaTekのDimensity 6300、ディスプレーはrealme 13+より大型の6.72型(2400×1080ドット)を採用するが、IPS LCDで輝度は580ニトと低めだ。フロントカメラは同じ1600万画素を内蔵する。
価格は1199リンギット(約4万2000円)。
背面は樹脂コーティングされており、合皮ほどの高級感はないものの、手ざわりは心地よい。カメラバンプはrealme 13+同様に円形で、カメラ構成も同じ5000万画素と200万画素の深度測定用だ。一昔前のミドルレンジ機のメインカメラは1300万画素が一般的だったが、最近は5000万画素クラスを搭載するモデルが増えている。
本体サイズは約76.1×165.6×7.8mm、重さは190g。フラットなディスプレーに角を立てたスクエアな本体デザインもrealme 13+と同じである。バッテリーは5000mAhで急速充電は45Wに対応。
以下は両モデルの比較だ。フロント面から見ると左側のreame 13のほうが、右側のrealme 13+よりわずかに大きい。またデフォルトの壁紙のデザインを変えることで、両者の印象を大きく変えている。
両モデルの価格差は日本円で1万円程度、チップセットとディスプレー、急速充電の性能差で、より買い求めやすい価格を実現したモデルがrealme 13、プラスアルファの価値を求めるユーザーにrealme 13+、という差別化を図っている。
日本の市場でこのように性能差を分けた類似モデルを出している例は、同じ中国メーカーのシャオミがある。コスパモデルRedmiシリーズで「Redmi Note 13 Pro+ 5G」と「Redmi Note 13 Pro 5G」を販売中だ。
キャリアによる端末販売が今でも一般的な日本では、メーカーが価格差を付けたモデルを投入しても、キャリア販売時点で大きな割引が入る。そのため、時には姉妹モデルであってもハイエンドモデルのほうが実売価格で下位モデルより安い、ということもある。
そのため、realme 13シリーズのような製品の作り分けは日本ではあまり一般的ではないだろう。だが、多くの海外市場では細かい製品バリエーションを増やすことで、他社との販売競争に打ち勝とうとメーカーが努力しているのだ。
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