博報堂テクノロジーズ、広告クリエイティブに特化した独自バナー画像自動アノテーションシステムを開発~人手と比較して大幅な工数削減を実現~
株式会社博報堂テクノロジーズ
株式会社博報堂テクノロジーズ(東京都港区、代表者:米谷修)は、デジタル広告バナー画像を自動で分析し、その構成要素を整理する自動アノテーションシステム(※1)を開発しました。
このシステムの導入により、アノテーション業務の完全自動化を達成すると同時に、アノテーション工数をこれまでと比較して1/80程度まで削減することに成功いたしました。また、従来の人手による作業では困難であった、高精度な文字起こしや文字の傾きを含む詳細なアノテーションを可能にします。
本システムの導入により、デジタル広告プラニングの効率化と高度化を目指す「CREATIVE BLOOM」でのバナー画像自動生成AIの開発加速に貢献します。これにより博報堂DYグループのデジタル広告プラニングノウハウを生成AIで再現し、現場のクリエイターがクリエイティブ業務に専念できる環境の構築を支援します。
(※1) アノテーション・・・テキストや音声、画像、動画などあらゆる形態のデータの1つ1つに、タグやメタデータと呼ばれる情報を付けていく工程
■背景/課題
近年、インターネット広告の需要が急速に拡大する中、AIによるクリエイティブ業務の変革が加速しています。当社でも、クリエイティブ業務の効率化と高度化を支援するプラットフォーム「CREATIVE BLOOM」を通じて、クリエイティブの評価、自動生成、予測などを人と共創できるAIサービスの開発に取り組んでいます。
中でも、高い広告効果を創出するためのバナー画像自動生成AIの開発には、キャッチコピーや商品画像など、バナー内構成要素の種類とその位置を特定するための大量のアノテーションデータが必要です。しかし、これらのアノテーションデータを手作業で作成するには非常に高いコストがかかり、大量のデータを確保することが困難となっていました。
■プロダクト概要
以上の背景から、当社は広告バナー画像を自動で分析し、構成要素をアノテーションする独自の自動アノテーションシステムを開発しました。
本システムは、商品や画像素材("キービジュアル")、興味関心をひくコピー("メインコピー")、そして行動を促す誘導文("Call-To-Action")など、バナー画像内の各要素の種類と位置を自動で特定・分析することができます。
図1. バナー画像(左)に対する実際のアノテーション例(右)。メインコピー(Main)・キービジュアル(KV)・Call-To-Action(CTA)などの構成要素をboxとして特定。コピーについては文字起こしも行っています。
このシステムの導入により、アノテーション業務の完全自動化を達成すると同時に、アノテーション工数をこれまでと比較して1/80程度まで削減することに成功いたしました (※2)。
さらに、従来のコスト制約で実現が難しかった、高精度な文字起こしや文字の傾きを含むより詳細なアノテーションも可能となり、この結果、高品質なデータ作成がより効率的に行えるようになりました。
(※2) 社内実績より算出。
■今後
本システムの導入により確保できた大量の高品質アノテーションデータを活用し、広告効果を最大化するバナー画像自動生成AIの開発を推進しています。これにより、クリエイティブ業務の効率化・高度化を支援するプラットフォーム「CREATIVE BLOOM」を提供し、更には当グループが持つ豊富なデータと最先端テクノロジーを融合させ、AI技術を駆使した革新的なコミュニケーションやビジネスの創造を後押しし、このような新たなチャレンジを通して、業界を先導する存在となることを目指します。
◆参考)CREATIVITY ENGINE BLOOMとは
2024年6月4日、博報堂DYホールディングスは統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の開発を発表しました。
「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、メディアビジネスやデジタルマーケティングなどのマーケティング領域での活用はもちろん、クリエイティブ制作、販促・CRMなどコマース、流通領域までをワンストップで統合・管理できる統合マーケティングプラットフォームです。博報堂DYグループが保有する生活者DATA PLATFORMをベースにAI技術を活用することで、利用者のクリエイティビティを拡張し、新しいコミュニケーションサービスやビジネス創造を支援します。まずは当社グループ社員での利用を開始し、スピーディーに高度な統合マーケティングサービスの効率化と高度化を実現することでマーケティングビジネスのOM率向上、売上総利益率の成長に貢献します。
「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は以下の5つの主要モジュールから構成されています。
- STRATEGY BLOOM:マーケティング戦略の策定を支援するモジュールで、生活者データとクライアント企業のデータを統合し、AI技術を用いて市場構造の可視化やターゲット設定、KPI策定の業務効率化を行います。
- MEDIA BLOOM:AaaSと連携し、KPI達成のためのメディア効果を最大化するモジュール。テレビとデジタルを組み合わせたメディア最適化やアロケーションを効率的に策定します。
- CREATIVE BLOOM:クリエイティブ制作を支援するモジュールで、AIを活用してクリエイティブの評価、自動生成を行い、業務の効率化と高度化を実現します。
- COMMERCE BLOOM:購買データとECプラットフォームと連携し、リアル、ECを統合したマーケティング戦略立案を支援します。
- ENGAGEMENT BLOOM:顧客との良質な関係性を構築するモジュールで、大手SFAやMAツールと生活者データプラットフォームを連携し、顧客のLTV向上やOne to Oneマーケティングサービスを提供します。
開発部署:プロダクト開発センター
博報堂テクノロジーズのプロダクト開発センターは、AI技術の研究開発をリードし、エンジン部分からアプリケーションに至るまでの開発をフルスクラッチで手がけています。このセンターは、広告業界に限らず、多様な分野に革新的なソリューションを提供することを目指しています。
■ 博報堂テクノロジーズについて
フルファネルマーケティング・生活者インターフェース市場・メディア・クリエイティブ領域をはじめとした各種テクノロジー戦略の立案・開発を行うテクノロジー戦略会社。博報堂DYグループの開発体制を集結し、体制強化・進化を目的として2022年4月に設立。
・会社名:株式会社博報堂テクノロジーズ
・所在地:東京都港区赤坂5丁目3番1号
・事業内容:博報堂DYグループ/得意先の課題解決に向けての各種テクノロジー戦略の立案・
実施及び各種テクノロジー戦略のプロダクト・ソリューション・サービス開発
・会社URL:https://www.hakuhodo-technologies.co.jp/
■お問い合わせ先
・報道関係のお問い合わせ:博報堂テクノロジーズ広報窓口
hr-koho@hakuhodo-technologies.co.jp