東日本旅客鉄道(JR東日本)は11月21日、同社の高崎・盛岡エリアに新型ディーゼルハイブリッド車両「HB-E220系」を投入すると発表した。2025年度下期から営業運転を開始する。
ディーゼルハイブリッド方式で環境負荷を低減
HB-E220系は、ディーゼルエンジンからの発電でモーターを駆動する「電気式気動車」をベースに、蓄電池を追加した「ディーゼルハイブリッド方式」を採用。ブレーキ時にモーターから発生した電力で蓄電池を充電し、加速時に利用する回生ブレーキに対応しており、エネルギーをより効率的に使えることが強みだ。さらに排気中の窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の低減や、電車との部品共通化によるメンテナンス性の向上も期待できるとしている。
車両は両運転台仕様(HB-E220形)と片運転台仕様(HB-E221形/HB-E222形)の2種3形式。いずれも20m級ステンレス車体で、最高速度は時速100km。ラッシュ時の需要に対応するため、ドア数を従来型(キハ100/110系)の2扉から3扉に増設し、座席もロングシートに変更となった。
ほかにも、車内に車椅子やベビーカー向けのフリースペースや電動車椅子対応の洋式トイレ、防犯カメラ、非常通話装置などを設置し、乗客の利便性と安全性に配慮している。
投入線区は高崎エリアが八高線(高麗川~高崎間)、盛岡エリアが東北本線(花巻~盛岡間)と釜石線(花巻~釜石間)。全32両を新造し、高崎エリアには2両編成8本、盛岡エリアには2両編成6本と1両編成4本をそれぞれ配置する予定だ。
従来型のキハ100系とキハ110系の今後については未発表だが、本形式の投入に伴い、順次各線区の運用から撤退するものとみられる。