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最新パーツ性能チェック 第455回

ゲーム56本で検証!

「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する

2024年11月15日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●北村/ASCII

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 Zen 5アーキテクチャーをベースに第2世代3D V-Cacheを搭載した「Ryzen 7 9800X3D」の発売が11月15日11時より解禁となった(予価税込8万6800円)。一部店舗において抽選販売になったことを考えると、初期入荷分は凄絶な争奪戦になっていることだろう。

Ryzen 7 9800X3D

 Ryzen 7 9800X3Dのファーストレビューでは、CPUの技術的解説とゲーム以外のベンチマークを用いたパフォーマンス評価を行なった。1世代前のRyzen 7 7800X3Dに比してマルチスレッド性能・シングルスレッド性能ともに向上した。

 ただ3D V-Cacheはゲーム以外の用途ではほぼ役に立たない(AMDの中の人にこれを言うと“そんなことはない”と否定されるが、であればゲーム以外で高速化するアプリを示していただきたい)。X3DシリーズはPCゲームでこそ輝くCPUなのだ。

 そこで後編となる本稿では、ゲーム56本を用いてRyzen 7 9800X3Dが既存のCPUに対しどの程度優れているかを検証する。5本や6本のゲームで前世代を上回ったデータでは物足らない。Ryzen 7 9800X3Dが最強であるという確信を得るためには、データの積み重ねが必要だ。

 今回の検証環境も前編と同一(検証期間も同一)である。Resizable BARやSecure Boot、メモリー整合性やHDRといった機能はすべて有効、さらにインテル環境はAPO(Intel Application Performance Optimization)も有効化している。GPUドライバーはAdrenalin 24.10を、Windows 11は確実性を重視し23H2を選択した。

AMDテスト環境
CPU AMD「Ryzen 7 9800X3D」(8コア16スレッド、最大5.2GHz)
AMD Ryzen 7 7800X3D (8コア/16スレッド、最大5GHz)
CPUクーラー NZXT「Kraken Elite 360」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「X870E Taichi」
(AMD X870E、BIOS 3.10)
メモリー G.Skill「F5-600J2836G16GX2-TZ5NRW」
(16GB×2、DDR5-5200/DDR5-5600)
ビデオカード AMD「Radeon RX 7900 XT」リファレンスカード
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」(2TB、NVMe M.2、PCI Express Gen5、起動用)+
Silicon Power「SP002TBP34A80M28」 (2TB M.2 SSD、PCIe 3.0)×
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2)
インテルテスト環境
CPU 「Core i9-14900K」(24コア/32スレッド、最大6GHz、Performance Profile)
CPUクーラー NZXT「Kraken Elite 360」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「Z790 Nova WiFi」
(インテルZ790、BIOS 7.01)
メモリー G.Skill「F5-6000J2836G16GX2-TZ5NRW」
(16GB×2、DDR5-5600)
ビデオカード AMD「Radeon RX 7900 XT」リファレンスカード
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」(2TB、NVMe M.2、PCI Express Gen5、起動用)+
Silicon Power「SP002TBP34A80M28」(2TB M.2 SSD、PCIe 3.0)×
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2)

検証の方針

 実際の検証に入る前に、本稿における検証の方針を示しておきたい。CPUの違いを知りたいのだから、GPUがボトルネックになりにくいようGPUの負荷は低めに抑えた。すなわち解像度はフルHD、画質は低設定もしくはそれに準ずるものとした。当然レイトレーシングもオフとしている。

 また、アップスケーラー(FSRやXeSS)はすべて無効とし、レンダースケール(グラフ中ではRSと略)は特記なき限り100%、つまりドット等倍表示としている。さらに動的に画質や解像度を補正する機能ならびにフレーム生成についてもすべて使用しないこととした。

 フレームレート計測は「CapFrameX」を利用し、フレームレート計測と同時にHWBusters「Powenetics v2」を通じてベンチマーク中の消費電力を計測した。CPU単体とシステム全体の消費電力を集計しているが、CPUとはEPS12Vケーブル×2を流れる電力を直接計測したもの、システムとはEPS12Vに加えATXメインパワー/ PCIe 8ピン×2/ PCIe x16スロットの各部を流れる電力の合計である。

 次のページからフレームレートを比較するグラフが延々と連なっている。特定のゲームの結果だけ見たい場合は上のリンクから個々のページへ飛ぶといいが、手っ取り早くRyzen 7 9800X3Dがどの程度優れているかを知りたいなら最後のページに飛ぶといいだろう。ゲーム名はすべて英語表記がベースになっているが、シリーズ接頭辞(例:“Tom Clancy's”)は削除している。

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