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旅の達人が伝える! スマートトラベラーへの道 第70回

いつだって僕らは旅に出たい

「青春18きっぷ」どう"改悪"? 実は普通の乗車券でも、お得に乗れる裏技があったりします

2024年10月30日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス/ASCII

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●学生は学割で通常きっぷを買ったほうが結果的にお得?

 ところで学生が帰省を機に途中下車しながら旅をするのに青春18きっぷを利用していたというケースは多いはずですが、学割で片道乗車券(紙)を買ったほうがお得なケースもあります。

 今回のリニューアルで新たに青春18きっぷ「3日間用」が登場しましたが、もしこの3日間用を使って東京から大阪へと帰省する場合は、当然ながら3日間で大阪へ移動する旅程となります。一方、東京駅から大阪駅への片道乗車券を購入すると8910円で、学割を使うとさらに2割引となって7120円になります。

 「片道乗車券だと1日で移動しなければならないので、何がどうお得なの?」と思うかもしれませんが、ここからが大事な話。実は営業キロ(km)が101キロ以上200キロまでは有効期間が2日間に延び、以降は200キロごとに有効期間が1日ずつ増えていきます。さらにJRの場合、営業キロが101キロ以上になると、後戻りしない限り何回でも乗車券の区間内の途中下車が可能なんです(一部例外あり)。

営業キロが101キロ以上になると、利用期間が複数日になります

 東京駅から大阪駅までは約550kmなので、有効期間は4日間になります。つまり、3日間用の青春18きっぷよりも、利用期間は長くなるという計算です。普通の片道乗車券でも帰省のついでに、各地で途中下車して観光や宿泊をするといった旅行が充分、楽しめます(ただし途中下車ができるのは乗車券のみ。特急券は乗車区間や営業キロにかかわらず途中下車できないので注意しましょう)。

営業キロが101キロから途中下車が可能になります。通常はそのままきっぷを自動改札機に通しても戻ってきますが、心配なら有人改札を利用するのもいいでしょう。ちなみに新・青春18きっぷは自動改札に対応する予定です

 もちろん片道乗車券の場合、途中下車できるとはいえ乗車ルートは決め打ちのみ。青春18きっぷのように、後戻りしたり途中で別ルートの路線を選ぶといった自由さはありませんが、「のんびり旅をしながらお得に移動する」といった点では、単なる片道キップも見落とせない魅力があるわけです。

 というわけで青春18きっぷのリニューアルにより、この冬からは従来のテクが使えず節約派のトラベラーには、移動手段の大幅な見直しが迫られそう。個人的には以前までの使いやすい運用に戻して欲しいなとは思います。

でも、願わくばこれまでのように、期間や目的地を決めずふらっと旅ができる「青春18きっぷ」に戻って欲しいーーーー!

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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